過激さの代償

これは、理香の友達のブログの記事に対するお返事です。
彼女に書いていたのですが、書いている途中で、
「もしかしたら、彼女だけじゃなくて、もっと多くのモデル志望の女の子達が、
この業界の事をよく知らないが故に間違った道に進んでしまっているのかもしれない」
・・・ということに思い至りました。

というか、自分自身が知らずに大失敗したクチなので・・・。

なので、ここにちょっと文章を変えて、
メモランダムの記事として掲載させてもらいます。
もしかしたら、この文章で、誰かを救えるかもしれないし。

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最近、過激さを売りにしている女の子達が増えている様な気がする。

最近、っていうのは、インリン以降かな。
２００１年ぐらいまでマリオのキャンギャルだった彼女が草分け的存在で、
その直後に続いた人たち（イエコンの堀口としみちゃんとか）はそれなりだったんだけれど、
後は雨後のタケノコみたいにじゃかじゃか似た様な人たちが出て来て、
正直、どれもぱっとしない・・・気がする。

もしかしたら見ているあたしたちがもう見慣れちゃってなんとも思わなくなってるのかもしれないし、
逆に、似た様な事ばかりやる人がいすぎちゃって、
当初は「他の子との差別化」が出来たのに、今度は逆に「差別化」出来なくなったのかも。

事務所とかは別に女の子を使い捨てても構わない。
後から後から若くてかわいくてモデルになりたい子達が入ってくるからね。
この子が売れなくなって来たらこの子ってどんどん手を替えることができる。
手っ取り早くお金になることをさせようとする。
だから、過激な方向に走りがちだと思うの。

でも、それって、本気で女の子達の事を考えているのかな？

一個過激な事をやってしまったら、それで何個可能性をつぶされてしまうのかな？

事務所にとっては「かわりがきく」駒の一つかもしれないけれど、
あたしにとって、あたしは世界でただ一人。
差し替えなんか利かない。

そりゃあ、普通ににこっと笑っているだけの綺麗なお仕事なら誰でもやりたい。
競争も熾烈。
よいお仕事は大手事務所が持って行ってしまうから、
残ったものを必死で取るしかない。

過激な事はみんなやりたくない。

着エロのグラビアを見て、親兄弟／親戚／彼氏が大喜びで諸手を挙げて応援してくれますか？
まだグラビアならともかく、下手したら、作品にもならないようなかなりえげつないお仕事だったり。
まあ、もしかしたら、この世の中広いですから、
AVでも応援してくれるお宅っていうのもあるのかもしれませんが、
少なくとも、理香の周りのお嬢さん達のお宅では、
極端な話「水着」ですら恥ずかしくて言えない、という子も多いのですよ。

だから、過激な事をやれば、当然、競合が少ない分、表に出る確率は高くなりますよ。

一時的にはお仕事も増えるでしょう。
一時的にはファンも増えるでしょう。
名前と顔が世間様に広がるでしょう。

けど、すぐに失墜しますよ。

この世界はブレイクスルーする分厚くて高い壁がある。
この壁に穴をあけるのはなかなか難しい。

でも、人には必ずチャンスが何度か回ってくるもの。

うまく表に出れて有名チームのキャンギャルになれる子もいる。
超一流企業のキャンペーンガールに選ばれる子もいる。
あるいは、どっかのタレント事務所から声をかけられる子もいる。

そんな時には必ずといっていいほど、邪魔がはいる。

「彼女はこんな事をしていた」なんて「BUBUKA」などに投稿されて、
それがチームとかで問題になって、おろされちゃったコとかうじゃうじゃ知ってるよ。

せっかくのチャンスなんだから、みんなも応援してくれればいいのにね。
「人の不幸は蜜の味」じゃないけれど、悪いことをおもしろおかしく言いたがる輩もいるし、
２ちゃんねるなどの掲示板でおとしめようとする人たちもいるから。
異性同性限らず。

しかも、そういう人に限って「あたしは業界のこんな裏まで知ってるのよ」
ぐらいな態度をとるのね。
というか、そういう態度を取りたいから、まるで芸能週刊誌のネタみたいな怪しい事を
あっちでもこっちでも言いふらして歩いてる。

最近じゃ、企業さんも懲りてるのか、お仕事が決まる前にかなり身辺調査される。
たかがモーターショウなどの展示会程度でも
「DVDを出した事がある子はエントリーできません」なんて言う企業さんも増えて来ています。

また、女の子たちも、功を焦るのか、出やすい方向に流れがち。
過激な事をやれば目立てるし、一時的にメディアも取り上げてくれるでしょう。
でも、そのうち別の子にとってかわられますよ。
例えM字開脚みたいなものであったとしても、
何年も同じ人の同じポーズなんて見ていてもしょうがないし。

一生懸命さが違う方向に出てしまっていて、
結局それが自分自身の可能性をつぶしてしまっているように感じてます。

遠回りに見えるかもしれない。
けれど、どんな子にもチャンスは同じように訪れます。

あたしの周りの「水着すら出来ません」って子でも、
同じようにチャンスが回って来ています。

自分自身の可能性をつぶさないで。
過激さの代償は大きいよ。

（03rd Feb.08)