甘え
（前略）
そんな性格だからか、今まで人に甘えることが苦手でした。
仕事で辛い時も、「これが大人になるってことだ」とか、
ホノルルマラソンに出たことを思い出して、
「ここを越えたらゴールだ」って思いながら乗り越えちゃう。
そうすると、
「あの時越えられたから今度も大丈夫」って、どんどん自分を甘やかせなくなって、
きつい時が分からなくなってました。
恋愛でも同じ。
誰かに寄りかかりたいのにできない。
ちょっと前の私は「成長したい」が口癖だったから、
人に甘えたり、頼ったりすることはジコチューなことで、
相手の負担になると思っていました。
それで、意地をはって素直になれなくて、結局、サヨナラしちゃった恋も・・・。
でも、最近、精神的にはもう少し甘えても良いのかなって、思います。
恋愛に限らず、相手が頼ってこないから、私も自分でなんとかしようと思っていたけれど、
それって逆かなって。
自分が「甘えないぞ」と思っていると、
知らないうちに周りに壁を作っちゃうから、人にも甘えてもらえないし、相手もしんどい。
精神力は強くなっても、人とのかかわりや信頼関係は、かえって薄くなる様な気がする。
きつい時は「大変なんだ」って言えて、気持ちを支え合える関係の方が自分もまた頑張れる。
（後略）
（「日々、萌え。」押切もえ）
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甘えって、あんまりいい意味で使われない言葉なんだけれど、
まじめな人ほど、がんばっちゃって、
結局、「かわいくない女」になっちゃっている気がする。
ちゃっかり人に甘えられるようになるのには、
それなりのスキルが必要で、
甘えの必要性が分かるようになるのには、
それなりの年月が必要だったりする。
しかも、今までがんばってきて、それなりに成果を出してくる事が出来た人は、
つまり、能力的なものとか、またまわりに恵まれたりなどの運が良かったりする人は、
ふと気がついて快調に走っていた足を止めて、我に返った時にはじめて、
「甘えべた」な自分を発見しちゃったりして。
その頃までには、自分で築いて来たものが、
あんまりにも高く立派にそびえたってしまっていて、
今更壊したり変更したりができなくなっていたりするもんなんだよね。
「甘える」なんて、プライドが許さない。
けど、結局は、甘えって「潤滑油」的な要素もあるから。
むしろ、「借りを作る」のも、人との絆的なところがあって、
「貸すのはいいけれど、借りるのは絶対嫌」なんて言っている方が、
完璧主義的で近寄りがたかったり。
人は優位に立っていると、人に優しくなれるものなんだから。
優位さを与えてあげる＝借りを作る、というのも、
一個の「人間関係の密度を濃くする方法」だったりもする。
へりくだったり謙譲が美徳だと思うのならば、
きっと、甘えだって美徳なんだよ。
（05th Apr.08)
