コールドストーン

今、まだ流行りが衰える気配がしない「コールドストーン」のアイス。

ここの店員さん達は、
アイスを混ぜる時に歌を歌いながら混ぜるのよね。

歌の種類は、理香が聞いた物で３種類。
曲はディズニーの「魅惑のチキルーム」とか白雪姫の「ハイホー」の替え歌。
一応歌詞は英語なんだけれど、みんな適当に歌ってるので、
日本語なまりが強すぎて聞き取れない。
まあ、「We are ColdStone！」とかそういう系の歌詞だと思われます。

これね。
なんかすごく嫌な感じ。
なんていうのかな。
マニュアル化された風な匂いがぷんぷんしてくるというか。

多分、発端は容易に想像できる。

アイスを作りながら、陽気なアメリカ人の事、
大繁盛が嬉しくて、なんかスターになったような気持ちで、
鼻歌歌いながら仕事したんだろう。

それがある意味名物となったのかもしれないし、
そこの社長がよしと思ったのかもしれない。
まあとにかく日本に輸入されたんだろう。

歌を良しと思う社長も粋だと思うし、輸入も悪くないアイディアだと思う。

でも、問題はねえ。
おしきせな感じがするんだよ。

お客さん達は、列を作って待ってるじゃん？
結構待っていていらいらしていたりもしちゃって。
そこでシャイな日本人スタッフとしては陽気に歌ってられないですよ。

よく見ると仕事も楽しそうでいて実はハードそう。
凍ったアイスを適量に取り分けるのもハードだろうし、
それを冷たい石の上で年中練ってるのも大変そう。

つか、練ってくれたアイス、かなりダマになってるし、
オレオとか、そのままかなりでっかいチャンクになってるし・・・。
まあ、忙しいですよね。混んでますものね。
あたしのアイスごときにそんなに時間かけれませんよね。
それに、これが「おおざっぱなアメリカ」的な感じで、味でもあるから、
まあ、よしとするか・・・。

正直、ぶっちゃけ言わせてもらうと、
工場かなんかで混ぜておいてくれた奴の方が均一感があるよね。
なんだかその場で混ぜるっていうのは見た目的に楽しいけれど、
結局は人件費かけて、
いまいちおおざっぱな物を高い値段で提供してるとも言えよう。
まあ、「味」がありゃいいんだけど☆。
あたしたちは「雰囲気」がお金になる事を知ってるし、
良い雰囲気の為ならどれだけでもお金を使えてしまう人たちだから。

「歌ってなんからんないよー」
というスタッフの気持ちはよくわかります。
「マニュアルだからしょーがない」と、渋々歌ってるから、
歌にも生気がないし、覇気もない。
おまけにみなさん目が伏し目がち。

これさあ、堂々と、超楽しそうに歌えばいいのにねえ。
あたしならそうするよ。

なんていうのかなぁ。
お仕事なんて、全部、本人次第だと思うの。
どんなお仕事も、プロフェッショナルなトコみせると、
そこに感動が生まれるの。なにかしらのね。

例えば、理香はたまーにパチンコ屋さんでMCなんかやってるけれど、
うちのマネージャーさんなんかはすごく評価してくれるのね。
「私、今まで、たかがパチンコ屋さんのMCだと思ってた。
でも、理香ちゃんのMC見て、感動した！
これって、人に喜びを与えられる、素晴らしい職業なんだなと思ったよ」
なんて言ってもらったことがあるのね。

或いは、理香が展示会で車の横に立つと、
それこそガードマンが出動しなければならない騒ぎになるほど、
たくさんの人々が写真を撮りに来てくれます。
これも、モデルという職業を一生懸命やると、
何かが人々に伝わるんだと思うのね。

だから、すごくもったいない。
歌を歌ったり体を動かしたりするという事は、働いていてもすごく楽しいはず。
なんで、その喜びをつぶしてしまっているんだろう。