半身

いつになったら、あたしの半身が見つかるんだろうな。

あたしと同じ感情を共有できるひと。
あたしと同じ時間を生きられるひと。

自分が求めてるのはほんの少しのことなのに、どうしても伝わらない。
伝えられない。

考えてみれば、あたしは昔からおねだり下手だった。

うまくしつけられていたからかもしれない。
欲しい欲しいと主張しても、駄目なものは駄目だけれど、
欲しくなくても必要なものならば最高級のものが勝手にやってきたから。

よくいえば環境が豊かだったから、物質的に満ち足りていた。
欲しいものがなかったといえば嘘になるけれど、
さりとて生活に困窮したことはなかった。

だからきっと、未だに感情表現がへたくそなんだろう。

とくに、欲しいものを表現するのが苦手だ。

さすがに「トイレいきたい」は、緊急を要することなんで言いますが、
「眠い」も、きれたら自動的に寝ちゃいますが、
「おなかすいた」とか「こうしてほしいの」なんていうのは、
どうしても生活で必要でもない欲求。
それならば、我慢できる範囲はなるべく我慢しちゃう。
ストレスたまるけれどね。
でも、口に出すのははしたないことだもの。

自我を押し殺す事にもまた慣れている。
だって、そういう生活を強いられて来たんですもの。

・・・どうしてもっとうまく甘えられないんだろう。
そんな根幹は案外こんなところにあるんだろうか。

ほんの少しのさじ加減なのになぁ。
そして、それは、多分、口にしたら笑っちゃう位些細な事。

可愛く口に出せる人がうらやましい。

（10th July.07)