放っておいてよ

かまわれるのって嫌い。
放っておいてほしい。

寂しい気分の時にふっとメイルが届くのはうれしくても、
のべつまくなしは迷惑だよね。

だのに、世界って不思議なもので、
私が忙しそうにしていたりするときに限って、
「忙しそうだね」なんてわざわざメイルが届いたりする。
病気でただですら何もできなくて、
たまっていく日々のルーティンワークを焦りながら見ているような時に限って、
「お見舞いメイル」なんかがびしばし届いたりする。

親切って、時に苦しい。
返事をかかなきゃって追いつめられるのが苦しい。

ねえ。
なんで世の中にメイルなんてめんどくさいものがあるんだろう。

用事もないのに、どうしてみんなこんなにメイルくれるんだろう。
お茶飲もうとかご飯食べようとか、そりゃあうれしいけれどさ。
でも、いらないメイルも相当あるよね。
なんだかよくわかんないご自慢メイルだとか。
何がいいたいのかよくわかんないような、
時候の挨拶のような内容のない、すかすかメイルだとか。
読んでる時間すらもったいなくて焦る。

ああ、多分理香がリタイヤでもしたら、きっとうれしく読めるんだろうけれど。

そうだね。
時間のなさが一番の問題なんだろうな。
時間がないから余裕がない。
いまのあたしはそんな感じだ。

中にはお悩み相談とかあったりして、超困る。
あたしなんかを頼ってくれるのはうれしいんだけれどね。
返事をしなきゃ悪い人になってしまう。
けれどぶっちゃけ、自分が溺れそうなぐらいあっぷあっぷしてるのに、
他人まで背負い込んだりするのは無理。

延々とHPに愚痴を書いてくる人がいる。
それが、その人にとって癒しになるのならば、私はうれしい。
できる限り力になりたいとも思う。
けれどメイルで言われてもね。
メイルなんて一日に１００通以上もたまっていくものだから、
その時にお返事しなくては、忘れてしまう。
そして、わたしは、きっと「こころないひと」と思われている。

ああ、やだな。
焦るのやだな。

せめてブログにでも書いてくれればいいのに。
けど、きっと、みんなが思っている。
ブログやHPよりも、メイルを交換したいって。
そしてパソコンメイルじゃなくて、携帯メイルがいいって。
携帯メイルよりも、電話で話したいって。
電話よりも直接遭いたいって。

自分は「普通のファンと違う」って主張したいんだ。
みんなが「理香の友達」って主張したいんだ。
そして、理香は追いつめられてしまう。
苦手だなあって思ってしまう。

だから、一歩ひいたひとに好意を持ってしまうのかもしれない。
そういえば、あたしが結婚してもいいとまで思った人は、
理香の電話番号すら知らないただのファンの人だった。
一途にあたしだけを思い続けてくれ、
デビューからもう何年もずっと追っかけてくれている人だけれど。

理香オンリーのHPを作ってくれて、
どうしても必要性から理香の携帯アドレスのみを教えたんだけれど、
滅多なことではメイルがこないし、
きたとしても必要最低限。
そこがすごく好感持てる。
というか、「ああ、もっと踏み込んで来てくれてもいいのに」と感じる。
普通の人だったら、大喜びでばしばし踏み込んでくるラインを、
どうしてそんな風に守ることができるんだろう。

そういえば、理香のあまたあるHPを作ってくれている人たちは、
みんな一線を越えない人たちだなぁ。
そう考えると、理香は恵まれているのかもしれない。

よく、HP関連でもめる女の子たちがいるけれど、
作ってくれたファンの人たちと毎日のようにメイルしなきゃならない苦痛で、
HPによりつかなくなる女の子があんまりにも多いんだよね。
まあ、管理人さんたちの気持ちはわからなくもないけれど・・・。
いわば役得みたいなものだものね。

たまに「おまえは彼氏かよ？」ってぐらい
ばしばしメイルが来て悩んでる女の子たちがいる。
やっぱりこの業界慣れてないと、
何がおかしいのか、スタンダードが何かもわかんないから、
だから振り回されてしまうのかもしれない。

おっと。
だとすると、理香は、
数あるうちのHP管理人さんたちにもっと感謝しなきゃならないな。
どうやって、あるいはどうしてブレーキをかけているのかわかんないけれど、
とても優しくて深い愛情で、水か空気のようにナチュラルに包まれているのを感じる。
長年続く「こつ」って案外こんなとこにあるのかもしれない。

絶妙な距離感？バランス？

ああ、実生活でも、こんな人たちばかりだったらいいのにな。

たまに疲れる。

（30th Jan '07)