涙

あたしは、泣かない。

ぜってー泣かない。

どんなに悲しくても、どんなに切なくても、どんなに苦しくても、
人前でなんて泣いてたまるか。

女の武器なんて使わない。

人を無条件で悪者にする涙の威力は絶大だよね。
男の人なんかはおろおろしちゃう人だっているんじゃないかな。

でもさ。
泣いて勝ち取った勝利ってどうなのよ？

「泣かれちゃったから」って理由で従ってもらうってどうなのよ？
「なんか腑に落ちない」って思われているかもしれないのに。
「女はこれだから困るよな」なんて感じてるかもしれないのに。

子供が床にひっくり返って、
「○○を買ってくれなきゃやだ〜」って泣くと、
たいていの人は眉をしかめると思う。
「しつけの悪い子供だ」とあからさまに言う人もいるだろう。

だのに、なぜ女の子の涙には寛容なんだろう？

そして、よく泣く女の子って、
どうしてああもむちゃくちゃなんだろう？
あり得ないようなわがままで周囲を振り回した後、
軋轢が生じてしまうと泣いてなんとかしようとする。
無理が通れば道理が引っ込むとはいうけれど、
あまりにも乱暴過ぎやしませんかね？

あたしは、いつも笑ってたい。

たとえ、それが偽りの笑いであっても。
無理に作った笑いでも、笑う門には福がくるからね。

泣くのならば、こっそりと。

人からそしられぬよう。
侮られぬよう。
馬鹿だと思われぬよう。
そして、人をおとしめぬよう。

（10th Jan '07)