メジャーの一歩手前の幸福

負け惜しみじゃあ無くて。

よく、有名とかメジャーとか言う人がいるけれど、
そのメリットってなんなんだろう。
あたしにはほんとにわからない。

有名になったからといって、今のあたしの何が変わるんだろう。
どうしても状況がよくなるとは思えないの。

そりゃあ、男の人だったら上を目指すもいいさ。
新しい世界にチャレンジもいいだろう。
あとは業界とか職種が違えば、もっとやりがいもあるだろう。

けれど、あたしの今の状況だと、
これ以上、上を目指す事の意義がわからないの。

メジャーになって得をするのなんて、
メジャーになった人の周りだけだと思う。
「あたし、○○の友達でさぁ」とか言えるというメリット？
或いは、○○が有名という事を金に換えようとする人たちのメリット。
本人にとってのメリットはさほどでもない。

街で歩いていて声かけられる？
そんなんがメリット？
むしろ居心地悪いような気がするんだけれどなぁ。

というか、その程度なら、理香程度でもあるしね。
知らない人から「TV出てますよね」「タレントさんですよね」
なんて風に声かけられて「握手してください」なんてさ。
つまり、普通声かけてくるひとっていうのは実は一握りで、
その影には声かけてこない人が、もっともっといたりするわけだ。
だったら、理香程度でも十分なんじゃないの？
むしろついてこられちゃったり、人垣ができちゃったりするよりも
よっぽど楽。

しかも、あたしは「人」ってあんまり安心できないのね。
どういったらいいのかな。

例えばさっきの話の「人垣」。それはいいけれど、
その「人垣」の「人」が勝手な事言う訳だ。
もちろん「可愛い〜」「本物って顔がちっちゃーい」だの、
そういう褒め言葉ならいいんだけれど、
中には「へ〜、○○かぁ。興味ないし」とかね。
・・・「つか、興味ないのはむしろこっちなんすけど☆。」
なーんて思っても、口に出せないつらさ。

同じように２ちゃんねるとか、ネットの噂もすさまじいよね。
たかが理香クラスですら、
たまに「どうよ？」って思うようなことがあるぐらいだから、
これで有名になった日にはたまったもんじゃないでしょ。

パーティーなんかの場所にいったらちやほやされるかもしれないけれど、
逆に目立ちすぎて声かけづらいかも。
遠巻きにして、「見た？」「見た見た！」なんてやってるだけじゃん。
むしろ、有名人の一歩手前ぐらいで居た方が、
気軽に声かけてもらえるし、お友達にもなれる。

ファンの方達との距離だって、うんと離れちゃうでしょ？

どこのお店に行っても、ちょっと扱いを良くしてもらえたりする。
けど、それは、あたしレベルでも多少はあったりする。

いろんなメリットを考えても、これ以上有名になる必要性を感じない。

さらに悪い事に、
有名になってしまえば、もう後戻りは出来ない。
下から上へ行く事は出来ても、
上から下へ下がろうと思ってもそれは至難の業。
どこへ行っても、一生ついてくるものだから。

それどころか、下手に戻ろうとすると、
「ああ、○○も終わったな」なんてしたり顔で言われたりする。
しかも「げ。お前なんかに言われたくないよ」っていうような人に限って、
まるで身内のように知ったかぶる。

たいへん。
何を考えても、いちいち大変。

だから、あたしは、
メジャーの一歩手前の幸福を享受しようと思う。
それが一番素敵なことだから。

（01st Apr. '07)