なんにもない世界

なんでもあるけれど、なんにもない世界にちょっと疲れた。

地球は回る回る。
あたしたちを乗せて。
寄せては返す波が決して倦むことがないように、
規則的な回転を止めようとはしない。

あたしたちは、きっとその回転の流れのままに、
プログラムに書かれたとおりに生まれて、
そして寿命が尽きると死んでゆく。

手に入れたいと思うことは、大抵何でも実現出来る。
夢は望めば叶うというけれど、
きっと、それは本当なんだろうな。

少なくともこんな万能の世界。
そう、ＳＦチックなまでになんでも出来ちゃう世界。
何がほしいのかすらもわからなくなってしまうよね。

あるのはただ、疲労感。
もしかしたら倦怠感、とも言い換えられるのかも知れません。

きたないは、綺麗。
綺麗は、きたない。
そんなシェイクスピアの魔女の歌が聞こえる。

物事はきっと円環を描いて世界を一周しているのかも知れない。
だから、平面図で描く綺麗とか汚いっていうのも、
３Ｄの円環で見たら、全て繋がってしまって、結局は同じ事なんだろう。

なんでもある。そしてなんにもない。
ミクロコスモスの極小の世界を極めると、それはマクロコスモスの大宇宙と同じ。
伸び縮みしながらぐるぐるまわる地球。

私はこの目を外して、違う目を入れたい。
そうしたら、全く違う次元でものが見られるだろう。
それは、もしかしたら、神の目？

ピカソが描くキュービズムの世界はぶっちゃけ理解出来ないけれど、
自分の頭の中のへんちきりんな世界を、
こうやって文字として描き出すことはできるよ。
みんなに伝わるかどうかわからないけれど。

（08th Feb. 2006)