オーディション漬けの日々よ

毎日のように繰り返されるオーディション。

そう。
理香みたいなフリーランスのモデルは、
どっかの事務所専属と違うので、待っていたって仕事は来ない。
オーディションの情報だけを登録事務所から回して貰って、
あとは・・・そう、実力突破！

勿論、知り合いからの紹介だとか、友達の友達だとか、そういう話で
速攻決まっちゃったりとか、書類のみで決まっちゃったり、
そんなこともたまにはあるんだけれど、
基本的には全部自分で頑張らなければなりません。

そこで、必然的にオーディション慣れはしてくるのです。

逆を言うと、間断のないオーディションのために、
メリハリがなくなってくる、というのもあるかもしれないけれど・・・。

そう、例えば、滅多にオーディションを受けない人とか、
滅多にお仕事をしてない人だったら、
「このオーディションまでに○キロ痩せる！」とか、
なんか具体的な目標が決まるでしょ？
でも、毎日毎日繰り返されるような場合には、目安にはなりにくい。

逆を言えば、いつ綺麗になってもいいというワケです。
というか、いつも綺麗にしてなきゃならない、とも。

だから、間隙を縫うようにしていろんな予定を組み立てていきます。

定期的に通わなければならない美容院だとか、
まつげパーマだとか、ネイルサロンだとか。
エステサロン、フットケア、美肌プログラムにお化粧品サロン。
倒れそうなときには栄養の注射。
歯の矯正に、脱毛に・・ああ、なんて女の子はやること一杯なんだろう！

一体何のためにお仕事をしているんだろうと思ってしまうこともある。
でも、逆を言えば、
この状態だからこそ、自分をキープ出来るんじゃないかとも思う。

むしろ、年々良くなってるんじゃないの？

１８とか２０歳ぐらいで人は美しさのピークを迎えるんじゃないかと思うんだけれど、
２０歳を過ぎると、なんだかどんどんみんなかわり始める。
綺麗にお姉さんになっていく人もいるけれど、
ちょっと先輩なんかだと「え？」って思うぐらい変わっちゃう人もいる。

考えてみたら、２０歳から３０歳までって、人は一番変わる時期なのかも知れない。

勿論、１０代だって、１０歳と１９歳は大分違うよ。
けど、「まだまだ発展途上」ってトコは同じだよね。
２０代は、「発展途上」から「下り坂」へと変わる、まさにターニング・ポイント！
この間に微妙に２，３年、安定期というか、ベストな時期を迎え、
そして後は目減りしていくんじゃないかと思う。

で、美への執着心っていうのは、
ひとえに、この「安定期」を如何に長く引き延ばすか、
っていうのにかかってるんじゃないかな。
緊張感のある生活は、それに一役買っている様な気がする。

そういえば、誰かが「男と別れると女は急激に綺麗になる」って言ってたっけ。
「守り」から「攻め」の姿勢に変わるから、なんだって。
だとしたら、あたしたちの日々は、まさに「攻め」の日々。
ゆるんでいる時間がない生活。

厳しいっちゃ厳しいんだけれど、
でも、客観的に見たら、それはそれでアリなのかなあ。

（02nd Feb. 2006)