さつき魚

海のあることを信じて川を下り、
大きな姿に生まれ変わって故郷の川に帰ってくると言われる
伝説の魚「MAYFISH」（さつき魚）。

（中略）

「川を下るのは、ほんの一握りなんだ。
ほとんどの魚は、冒険をせず、生まれたままの姿で一生を過ごす。
でも、お父さんは、自分の力を信じて川を下る魚になりたかった」

たしかに不安だ。
見えないものを「ある」と信じて突き進むことは。
でも。これは言えると思うのです。
たとえ失敗しても、やれば後悔せずに済む。

（朝日新聞「ＴＶこのセリフ」　ダンドリ。　磯村完）

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ＴＶの番組に関しては見たことがないのでよく分からない。
それに、セリフとしては、いっちゃなんだけれどありふれている。

でも、そこで思考停止しないで考えてみると、
確かに目に見えない将来に対しての漠然とした不安にいつも怯えている自分がいる。

いつになったら心配がなくなるんだろう。

結婚して、子供でも出来たら不安はなくなるんだろうか。

考えてみたら、幼稚園も入試、小学校も入試、
毎日毎日、かけもちで、お稽古ごとに塾。
中学校に入れば毎回のテストに追われ、
高校に入ってからも大学受験。
国費留学のテストは、もともと受かるつもりで受けてないから
相当気楽にうけたのでよかったけれど、
考えてみればいつもテストテストだったなぁ。

大学に入ってからは、今度はモデルが本格化したから、毎日オーディション。
今だに、毎日人から評価される日雇い仕事なんかやってる。
あ、「なんか」って書いてはいるものの、相当プライド持ってやってるので、
別に自虐でもやさぐれてもないし、なんでもないんだけれどね。

そして、入試とか関係なくなったら、
今度はお見合いでいくらで高く売り飛ばすことが出来るのだろうかという
自分ではどうにもならないような算段に巻き込まれる。
お見合い写真に、さりげないお食事会のお誘い。

知ってるよ。

会社のため。おうちのため。
あたしの一存でどうこう出来るモンじゃないって事を。

あーあ、一体いつまでこんなことやってられるんだろう。

生活の不安がないのは、唯一恵まれているところ。
親に感謝。
そして継ぐべきおうちや会社があるのも感謝。
これでもしも日々の生活に追われるような状態だったら、
きっと精神的にも参っちゃうだろう。

そういえばレースクイーンとか、長続きしなくて、
１年〜３年もするとやめてしまうのは、そういう理由もあるのかもしれないな。
オーディションなんかで他人から評価されて自分が決まるような仕事は
もう早くやめたいとか思うのかな。
早く生活安定したいとか思うのかな。

あたしみたいなのは、ホントに恵まれているレアケースなのかもしれない。

けど、目に見えない将来。
何をやるのも不安なのは同じ事。

無知であることも怖い。
自分がここで何も知らずに、よかれと思って蒔いた種が、
将来自分の中で爆弾となって破裂してしまうかもしれない。

人生にシュミレーションはないし、
一度決めたらリセットも出来ないから。
そして時間は常に一定方向にしか進まないから。

せめて落ち込まないように。
心だけは高く持って。
がんばろうね。

考えて悩んで過ごす一年も、楽しくハッピーに過ごす一年も同じ一年。
そして一年をくり返すことで一生なんだから☆。

（18th Sept. 2006)