反省点

やっぱしあたしは「いい人」になりすぎていたんだろうな。

正確に内部事情を知っている人たちがいたら、
きっと、
１００人が１００人とも同じように答えるだろう。

どう考えても、私はもっと権利とか主張してもいい立場だった。
というか、主張すべきだった。
なのに、敢えて人に花を持たせてしまったというか。

多分みんなあの番組の事を誤解してるんだろうな。
よもやまさか私がキーパーソンなんて思ってないだろう。
私がいなかったらそれだけで崩壊するなんて、信じないだろう。
他の子がメインだと思っているだろう。

自分が主張しなければ、誰も気がつかないのは当然だよね。

でも、主張したくなかったんだ。
私は、みんなでやりたかったし。
自分が権利があるからといって、
声高に権利をいうのは「はしたない」と思っていた。
そんな汚い人間にはなりたくなかった。

それがあたしの美学だった。

でも、そうすると、
「そんな権利もない人間」が、
自分が中心に立っていたいと強烈に固執している人間が
中心に立つことにも繋がってくる。

いや、権利があるなしは別にどうでもいいんだ。

それが、人を束ねられるだけのキャパがあれば。
別になりたい人が中心になればいい。

けれど、実は全然それだけの器量じゃなかったりもして。
自分のやりたいことを、自分を中心にしてやりたいだけだったりして。
つまり、自分が太陽となった太陽系を作りたくて。
けれど、太陽になるだけの熱量も質量もなかったりして。

その太陽に、熱量と質量を提供していたのは私。

人は、私という目に見えない巨大質量・・・
そう、例えて言うならばブラックホールの周りを回っていたんだ。
いざとなったら、いろんな意味でみんなをカバーするだけの
経験や、知識や、発想や、そのほかのもろもろの力を持っている私を、
いつのまにか中心に回っていたんだよ。

どうせ、すべてのケツを持てるのはあたしでしょ？
あたししかいないんでしょ？

それに、あたしを頼る人間をあたしは見捨てないし。
あたしを大事にする人間には、必ずそれ以上に大事にし返すし。
何かあったときには守ってあげる。

それが分かるから、人はあたしを慕ってくる。
寄らば大樹じゃないけれど、
あたしの元に、人は頼ってやってくる。

それが見えなかったのかな？

でも、見えなかったんだろうね。
どうしてなんだろうね。
ただ、けむたいなとだけは感じていたでしょ？

あなたは１００％自分のやりたいようにやりたいのだから。
全ての権利を持つ私が、今まで権利を主張しなかったのに、
友達のためにと少しばかり権利を主張しはじめたのが、気にくわないでしょ？

つか、メグにしろ、李々ちゃんにしろ、ミキミキにしろ、
理香の周りにいる親友達って、ものすごーーーくナイーブに理香を気遣ってくれるんだよ。
だからそれが当然だと思っていた。
権利なんて主張しなくても、思いやってくれるもんだと思っていた。

ところが違うんだよね。

やっぱり主張しないと、甘えられてしまう。
どんどん荷物が重くなってきて、自分が潰れちゃう。

「潰れるよ」って何度も叫んでいたのに、まともにとりあってもらえなかった。
適当にその場を逃げるような論理でごまかされてしまった。

じゃあ状況がかわったのかといわれたら、何も変わってなかったのに。
メグの言葉を借りるなら「明後日の方向のことばかり話して」いた。

だから潰れてしまった。
これはあたしの反省点。

もう今更どうなるもんでもないんだけれどね。