ガラスの温室

理香の友達の市川ゆなちゃんのバースデイ・パーティーに先日いってきました。
その時に、ゆなちゃんと撮った写真を、理香のブログに掲載したところ、
さすがは現役の人気レースクイーン、
うちのブログでも、たくさんの反応がありました。

ゆなちゃんも、ちょくちょく理香のブログは見に来てくれているみたいで、
パーティーの席でも、
「先日風邪ひいたんでしょ？」「足の爪派がしたのはどうなったの？」
などなど、理香の近況を細かく知っていてびっくり。
よっぽどブログを頻繁にチェックしてくれているみたいです。

なので、理香のブログでの彼女に対する反響の大きさも、
当然彼女は知っていたのですが、
一応、理香からも、
「ファンのみんなが待ってるので、良かったら一言だけでも何か書いてあげてくれる？」
と、ずうずうしいながら、お願いしてみたのです。

友達だしね、という気楽さがあったのですが、
その後の彼女の言葉に、私は驚いてしまいました。

「事務所で、一人一人へのレスは禁止されているんです。
だから、わたしは理香サンに対してと、
それから、ファン全体の皆さんに対して、という形で書きます」と。

・・・。

へーーーっ！！
事務所が禁止してるんだぁ！！

いや、単純に、めちゃくちゃ驚きました。
パラダイムがシフトしました。

今まで、理香は、ブログっていうのは、ファンサービスだと思っていました。
丁度、レースクイーンが、ギャルオンだとか取材だとか仕事の無いときに、
テントの外に出て、
チームの前で出待ちしているファンのみなさんに対して、
「ファンサービス」をするようなものだと思っていました。

（ちなみに、ファンサービスとは、
ミニ撮影会というか、撮影したり、
ファンの方が持ってきたトレカやギャルパラ、サイン帳などにサインを入れたり、
そういうサービスの事をいいます。）

撮影会団体でも、良く言われるのは、
「理香ちゃんのＨＰを見たけれど、ファンが多いから大丈夫だと思った」とか、
「有名ブロガーだから、ファンもたくさん連れてこれるよね」とか、
そういうプラス評価のことばかり。
つまり、ＨＰが充実していない子というのは、
仕事面で、あまり優遇されない、というイメージがありました。

だから、事務所なんかも、その子の人気をあげるために、
むしろ、積極的に「レスをつけろ」とか言っているものだと思っていました。

でも、こんなことがあるんだぁ！！
軽くショック。

でも、わかるわかる。

あたしも、こうやって、いろいろやらせて貰っているけれど、
実際、手を焼くような事だって、ちょくちょく起きたりする。

「本当にマナーの良いファン」っていうのは、
実は、「ファン」という定義と、軽く矛盾するものであったりする。
だから「地上の空中」などと同じように、論理矛盾をはらむ言葉だったりする。

だから、
なんとなく、遠くのころは良かったり、
他人のファンはよく見えたりするもんだけれど、
近寄ってみたりすると、「・・・あれっ？」という事も多々起こりえるものです。

ファンっていうのは、好きだからファンになってくれているワケです。
つまり、「恋愛」とまでは思ってないのかも知れませんが、
ある種の「恋の魔法」にかかっている状態だと思います。

「恋愛と戦争に反則はない」といったのは誰だったか。

つまり、大好きだからこそ、
こうしたい、あれもしたい、との欲が広がっていって仕舞うのです。

でも、マナーの良いファンというのは、
ファンとしての分を守っている人。
「ファン」から飛び出したいような人に守れといってもどだい無理な話。
だから、論理矛盾なんです。

幸い、私のファンは、
私がこういう歯に衣を着せない人間である上に、
「陰で悪口を言わない代わりに、本人の気づかないところを矯正して、
自分にとってそしてお互いにとってよい関係を作りたい」という理想があったりもして、
だから、こんなあたしについてくるファンっていうのは、
数は少なくても、みんな、ホントの絆で結ばれているような人たちだ。
特に古いファンになればなるほど、
がっつりと結ばれているような気がする。

で、私のファンは、
「マナーを守ること」＝「理香に好かれる早道」
即ち、「仲良くなれて特別な存在になれる」
ということをよく知っています。

結局、周りがマナー知らずであればある程、
マナーが守れる人間が、地味にしていても目立ってしまうし、
マナーの悪い人間に辟易していればしているほど、
マナーの良い人に目がいってしまうし、助けを求めたくなってしまう。

おまけに周囲の女の子達からも評判があがる。

さらに、ファンの間でも、
マナー悪く、自分が自分がちょっとでも余計に！という人だと、
ものすごく反発を受けます。
当然だよね。
だって、みんなが「ちょっとでも！」と思っている世界なんだもん。
逆に、マナー良く譲ったりしている人なんかだったら、
クレームの付けようがない！

まさに、すべての面で、万々歳じゃないですか。

他の女の子達のファンの中で、
こんな簡単な真理がわからない人たちが多いのはなぜだろう？

なぜかというと、それを説明しようとする人がいないから。
表だけ、自分のイメージを守るために、にこにこといいかおだけして、
裏で「きもい☆」などと悪口ざんまいを言ってる。

まあ、理香が知ってるある女の子みたいに、
表だって「きもい！」と言ってしまうのも、
或る意味男らしいとはいえ、問題ありなんですが・・・。

そういう表面だけのつきあいをしているから、
数年経って、新人や後輩がどんどん入ってきて、
自分が中堅どころになったときに、ファンがいなくなってしまう。

ご存じの通り、レースクイーンなんて、基本１年だけのものだからね。
毎年おそろしい数の新人ちゃんが入ってきて、
３年も経つ内にあっというまに「大御所」にされてしまう。

そうなったときに、表面だけのファンは、みんな若い子に流れるよ。

いや、実際の年齢じゃなくて。
デビュー年数というかね。
手垢がついてない子、というか。

実はね、あたしも、一回ファンを無くしてる。
そこで考えたんだ。
自分に何がいけなかったかを。
自分がどうしてこんなに思い上がっていたのかを。

結局、ファンとちゃんと向き合ってなかったんだよね。
それに尽きると思う。

ただ、ここまでに至るまでに、一体どれだけ痛い思いをしたか・・・。

事務所サンは、賢いと思う。

事務所が盾になることで、ノーストレスのまま、キレイに保っておける。
これは、ホントに賢いことだと思う。
ガラスの温室。

あたしだって、もしも守って貰えるのだったら、
ガラスの温室で育ちたかった。
荒いスコールや、日照りに悩まされたり、猛獣に傷つけられたりする前に。
もちろん、こうやって揉まれて育ったからこそ、
今のあたしがいて、今こうやって文章が書けたりするんだけれど。

ただ、文章が書けることが幸せなんだろうか？

そんな風にも思えてしまったり。

（30th Nov.06)