才能

あたしは、ホントに恵まれている人だと思う。

何が恵まれているって、人に恵まれている。

あたしの周りに悪い人は集まってこない。
寧ろ、いい人ばかりが、集まってくるような気がしている。

あっちでもこっちでも信頼が置ける人がいない。
みんな、表もあれば裏もある。
そんな風に、世界に絶望してしまっていたりしているんだ。
まじめな人になればなるほど。

だから、ちゃんとしたひとは、
必ず胸に孤独を抱えているような気がする。

で、その孤独を埋めるように、
真実のもので満たそうとするんだと思う。

真実ですら儚いんだけれどね。
それを知ってか知らずか。
知っていても、虚しいだけだから、
夢を見ていた方がいいのかもしれない。

近所の東急ストアのレジのおばちゃんが、親切だ。
目があって、おもわず反射的に「にこっ」と笑ったのが最初だったかな？
軽く言葉を交わす内に、どんどん親切になってくれる。
「そのお水、重いでしょ？運んであげようか？」
なんていって、わざわざレジから出て、
買い物籠を台まで運んでくれちゃったりする。
もちろん、あんまりお客さんがいない時だけだけれどね。

地方ではよくあることなのかもしれない。
けれど、東京のこんなど真ん中で、
こんなに親切なスーパーのレジのおばちゃんって珍しくない？

こんなことが、理香の周りでは何故か頻繁に起こる。

今まで通った、どこのエステのエステティシャンさんも、
どこの病院の受付の女の子も看護婦さんも、お医者さんも
どこの美容師さんも、ネイリストさんも、睫毛パーマ技術者さんも、
お化粧品販売カウンセラーさんも、
気のせいとはいえないぐらい、みんな、とてもよくしてくれると思う。
というか、一緒にご飯食べに行くような仲になってしまう。

これって、やっぱし、人に恵まれているんだよね。
たかが、人生のほんの一部分であっても、
神さまは私に最良の人たちをとっておいてくれている。

たまたま理香の入ったレストランの店員さんまで、
妙にフレンドリーで優しい。

「運は才能」と言うけれど、
ここまで来ると、ホントに思う。
「あたしはきっと人に恵まれる才能があるんだ！」ってね。

（12th Nov.06)