神は死んだ

っていってもニーチェとは全然レベルが違いますが・・・。

先日、おじいちゃまが危篤になったときに、
おじいちゃまの魂の救済を祈ろうと思って、目黒のサレジオ教会に行きました。

ところが・・・。
行ってみると、教会が閉まっている。
閉まっていても脇の入り口から入れるんだけれど、
そこすらも閉まっている・・・。

管理人らしき方が、今まさに教会に鍵をかけているところでした。

私は駆け寄って、声をかけました。
「すみません。もう教会閉めてしまってますよね。」
管理人さんは答えました。
「ええ。５時までなんですよ。」

そこで思い切って頼んでみた。
「すみません。私のおじいさまが今危篤なんです。
５分でいいから教会でお祈りさせて頂けませんか。」
そう言っている間に、今まで我慢していた涙がぼろぼととこぼれ始めた。

管理人さんは困ったような顔で躊躇しながら答えた。
「ああ・・・ちょっと無理ですね」

私も、「ああ、そうですよねえ」と答えて、
逃げるように飛び出した。
なんだか泣いたのがとても恥ずかしかったから。

そして、子供みたいにぐすぐす泣きながら、おうちに帰った。
（道行く人は多分相当ヘンに思っただろう）

・・・。

けど、後になってからだんだんとむかつきはじめた。

そりゃあ、確かにあたしが悪いよ。
営業時間外に来るなってコトでしょ？
そりゃそうだよねえ。

外国の教会は比較的いつでも開けっ放しになっているけれど、
日本の、特にカトリックの教会は防犯の観点から
夜間は空いていない、というのも知識として知っていた。

でもさあ、宗教施設だよ。
そしてあたしはバリバリの信者だよ。
確かに教会来てなかったけれど・・・。

これで死んじゃったらどうしてくれるんだ・・！
ふざけろ！

・・・・。

と、そこまでは考えたのですが。
今落ち着いてみて。

物事って、なんでもスムーズに行くとは限らないよね。
たまに、こういう人でなしとか鬼みたいなｺﾄが、
あってはならないようなトコ、例えば教会みたいなトコであったりする。

人生って、「信じられないような非道いこと」がいっぱいだ！

そして、こういうことがあると、人は色々考える。

例えば、理香の場合。
「やっぱり最近随分教会来てないからこういう時ばっかり虫がいいよね」
「神さまだってお調子者は嫌いだろう」
「というか最近の理香はあんまりよい子にしてなかったなぁ」
などと、ひどく落ち込んだり反省したり。

それに、「教会とはなんぞや」なんてコトをちょっと深く考えてみたり。
「神さまって何さ」「祈りってなにさ」「宗教ってなにさ」
頭のＣＰＵがフル回転で動き出す。

そして、たまにこんな答えまで出てくる。
「神は死んだ！」ってね。

でも、深い思索に裏打ちされた言葉なら、理解出来るよ。
かなり突拍子もない結論だったとしても。

つまづかなければ、きっと考えなかったこと。
うん。トラブルって、すばらしいチャンスなのかもしれない。

（31th May. 2006)