お洗濯

風薫る五月。
梅雨と見まごうほどの雨続きの後に、漸く訪れた五月晴れ。

今、お洗濯モノを干していたの。
なぜだか鼻歌が出てきたのは、
真っ白に洗い上がったシャツに満足したからなか。

子供と遊んでいて真っ黒になった洋服。

よく「白は汚れやすいからね」なんて言うけれど、
理香は「汚れ」なんて考えたこともなかった。
だって、どの服だって同じ風に汚れるモノだし、
白だけが特に言うほどあからさまに汚れるとは思わなかった。

けれど、最近、ようやく真実が分かってきた。

友達の子供と遊んだりするようになったから。

子供ってパワフル。疲れ知らずよね。
ママからもらったプラセンタが体中に満ち溢れているといった感じ。

木登りをしたりあちこちもぐりこんだりする子供をおんぶしてみたり、
どんぐりを地面からほじくりだした手をつないだり、
子供の落としたモノを取りに埃だらけの場所へ入ったり・・・。

気付くと、真っ白だった理香のシャツが、
「げ。こんな古いもの捨てたい」と一瞬思うぐらいに真っ黒に！
でも、考えてみたら古いワケじゃなくておニューの服だったりして。

つまり「汚れる」の！

これ、今までの理香の経験になかったことなのでちょっと新しい驚き。

まあ。ロケとかでジャングルにいったり、
砂まみれになったりっていうのはあったけれど、
あれは貸衣装だし・・・。
それにロケとかって或る意味特別なシチュエーションだから、
それはそれって思っていたんだろうね。

今まで洋服がこんなに汚れていたら捨てていたよ。
でも、不思議とこういう汚れって洗ったら落ちるものなのね。
めちゃくちゃ汚くなってるから
綺麗になったときのギャップが目に見えて楽しい♪

あー、なんかこれが本当にお洗濯ってものなのかな。

（20th May. 2006)