マドンナ

一度「スター」と呼ばれる存在になって、その世界でずっと生活していると、
すべてが結局は幻想にすぎず、何も意味していないという真実を、
誰も教えてくれなくなるの。

むしろその逆で、
周囲はもっとスタートして振る舞うように要求するし、
そういう振る舞いをすればするほどもてはやす。

そうなるとまさに悪循環で、
自分の名声なるものが現実だと勘違いしてしまうわけ。

悪循環をやめるには、
そこから抜け出すしかない。
これが私が経験してきたこと。

（中略）

間違いは、自分がすべての中心だと考えてしまうこと。
自分が創造者だと勘違いしてしまったら終わりなのよ。

私は自分は自分の才能の所有者でないと考えている。
私はただの「マネージャー」にすぎない。

才能をうまく扱うすべを学べば、すべてはうまくまわる。
お金と同じね。

「それはカバラの教えから学んだことですか？」

カバラはもともと「KEBEL」ということばからきている。
「受け取る」という意味よ。

受け取ったものは還元しなければならない。

簡単に言ってしまうと、カバラが教えているのは、
あなたが行うことすべて、口にすることばのすべては、
世界に影響を与える、ということなの。

それを一度認識してしまうと、
自分の言動に責任を感じずにはいられなくなるし、
何かをする前にじっくり考えるようになる。

人生に対する見方が大きく変わるのよ。

（「エル・ジャポン」誌「エル・クローズアップ」
マドンナのインタビュー記事より抜粋）

（14th Mar. 2006)