寿命

最近、寿命について考えることが増えてきた。

理香の年で多分こんなことを考えている人って少ないんじゃないのかな。
みんな、我が世の春を永遠だと信じて疑っていない感じ。
それに寿命のことを考えるなんて、まるで還暦を過ぎた人みたいで、
なんかものすごく早いことのように思える。

というか、周りに年上の人が多いからなのかもしれないな〜。

理香は、おじいちゃまもおばあちゃまもまだ生きていらっしゃるし、
いいんだか悪いんだかわかんないけれど、もともとがメチャ長生きの家系なんだよね。
１００歳オーバーとかざらだし、
８０ぐらいで亡くなったら「早かった」なんて言われちゃうような遺伝子だもの。
理香は別に初孫ってワケでもないのに、どっちかっていうと遅い系なのに、
ひいおばあちゃまとかも亡くなったのは理香が中学とか高校時代だったから
そんなに昔の話しでも無いわけで、
だから、おじいちゃまやおばあちゃまが亡くなるなんて考えられない。
まだあと２０年ぐらいは平気なイメージがあるんだよね。

ということは、うちの親の世代になると、
あと最低でも４、５０年は余裕で生きている事になるし、
あたしなんかの世代だと、それにもう２０＋αはプラスした感じだから、
６０・・・いや、７，８０年は平気って計算になってくる。

ふわぁ。遠大な計画だわ！
この人生ってヤツはなんて長いんだろう。
こりゃあ、「この世の春がずっと続く」派に賛成したくもなるよね。

でも、理香とたいして代わりもないぐらいの年代の人たちでも、
おじいちゃまおばあちゃまが亡くなってしまって、
その上お父様なんかをご病気とか事故で早くに亡くしていらっしゃるような方は、
「次は自分だ」感をかなり強く持っているような気がする。
「自分は早く死んでしまうんだ」という思いがこっちにまで伝わってきて、
のんびりやの私にまで飛び火してくる。

まだ３０とか３０代でも、
ナニゲにもう老後を考えていたり、
人生設計がおおよそ終わっているのはすごいなと思う。
特に結婚しちゃっている人なんかは、
「もう大体の人生のイベントは終わった」ってカンジで、相当落ち着いちゃってるよ。

え。
そ、そんな早いんですか？人生は。

あたしたちは、「早く大人になりたい」って思いながら育ってきたと思ったんだけれど。
早く、この受験勉強とか塾通いとかのくびきから逃れて、
親の強い縛りから解放されて、自由になりたいと思ったんだけれど、
そうして、漸く手にした自由は僅か４年間。
１８歳で大学に入ったとして、結婚までの期間を計算すると、
まあ、都市部の女性や高学歴の女性は晩婚と言われる現在で、１０年前後。

・・・このたった１０年で全てが終わっちゃうの？？

うわぁ。
蝉が、７年地面の底で幼虫をやっていて、
やっと羽化して蝉になっても、僅か一夏で死んでしまうみたいだな。
或いは、かげろうが、一夜で死んでしまう、そんな感じ。
あたしたちは、小さな虫を「生き急いでかわいそう」なんて思っているけれど、
案外人間だって大して違いはないのかもしれないぞ！

（07th Mar. 2006)