貴方に出会えて良かった

貴方に出会えて良かった。
心からそう思う。

地球っていうのが宇宙の中に浮かぶちっぽけな星だったとしても、
もしもあたしがちょっとでもずれた地点に生まれていたとしたら、
多分今居る世界と大分違った世界に育っていたワケで。
こうのとりさんが、よくぞこの国、この場所に運んでくれたと、
感謝せざるを得ないよね。

なにも地球の裏側の話じゃない。
隣の国の話じゃあない。
たかが違う県に生まれていただけでも、
あたしたちはふれあうこともなかったかも知れない。
東京だから、町内ぐらいは違ってもそんな意味はないかもしれないけれど、
これが地方都市になったら、
同じ町内かということだって大きな意味があることだろう。

そして、場所だけじゃあない。
もしも時間がずれていたらどうなったろう。
もしかしたら私は貴方のことを歴史の教科書で知るかも知れないね。
或いは古典の授業で、あなたの作品を読んでいるかもしれない。
いや、無名の多くの市民として、
その存在すらもとどめていないかもしれない。

そこまでずれなくても、
わずか１０年ずれていたら。
あたしたちのこの関係性って成り立ったんだろうか？
それとも、たかが「１０年」という時ぐらい、
あたしたちは乗り越えられたんだろうか？
それだけ強い絆で結ばれているのかも知れないね。
今のこの状態を考えたなら。

もしかしたら、
もっとベストな自分があるのかもしれない。
そう思わないこともないけれど。

でも、こう生まれちゃったんだから、しょうがない。
与えられた環境でベストを作って行かなくては。

そして、貴方は、私が得た「ベスト」の中の、大きな財産。

（21th July. 2006)