差別

読み始める前、同和問題に限らず、さまざまな差別の問題に関して、
自分としてはほとんど加害者意識を持たずに過ごしてきたものだから
「詳しく知ったら、むしろ偏見の心が生まれるってことはないかな」
とそのときの私は不安に思いもした。

でも結果から言えば、
知ることが悪いということは決してない。

差別は悪の心から生まれるというよりも、無知から生まれる方が多い。
私は今も、勉強が足りない。
知らず知らずのうちに、国籍や性別など何かしらで、
人に対し偏見を持ってしまうときが、ないなんて言えない。

（中略）

差別は複雑だ。
もし相手を敬っていたとしても、
相手を寂しくさせていたり、自由を奪ってしまうことはある。

（「はてしない自由」　「指先からソーダ」山崎ナオコーラ）

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差別は複雑だ。

こんな仕事をしていると、「職業の色眼鏡」が気になることがあるんだけれど、
これも或る意味「差別」なんだろう。

過剰な期待。
過大な干渉。
ワケのない尊敬と軽蔑。

だから、知って貰うために声をあげているのかもしれない、あたしは。

（15th July. 2006)