雰囲気

雰囲気って一番大切なモノだと思う。

どんなにオイシイものを食べたとしても、
嫌な人と食べたら味がしないように、
どんなに素敵なお酒を何本も飲んでも、
全然酔いが回らないように、
一緒にいる相手によって、時間の質が変わってしまう。

人の頭ってそのぐらいデリケートなものだから。

雰囲気で食べさせる、雰囲気で飲ませるっていうのは、
とても大切な事じゃないかと思う。

気の利いたサービス。美しい調度品。
ムードを盛り上げる間接照明。
どこからか聞こえてくる音楽（生演奏なら尚可）。
それらは、食材の素晴らしさと同程度に
「食事」に於いて重要な意味を持つと思う。

逆を言うと、「雰囲気」にお金を払うのは、やぶさかではない。
しかるべき雰囲気を作る努力に対する報酬は、当然だと思う。

ここがうまいんだ、と言われて、
とても汚いところに連れて行かれたとしたら、
例えホントにオイシイものが出てきたとしても、
食指が動かないものじゃない？

どこからか不潔な変な匂いがしていたり、床がべたべたしていたり、
店主が愛想悪くてお客様を怒鳴りつけるような店だったら、
正直、食事する前からおなか一杯。
食欲すらわかなくなってしまう。

良い環境。良い雰囲気。
自分がそこに同化する喜び。
ジグソーパズルのように、当てはめていけたらいいね。

（09th July. 2006)