贖罪

罪を償うために何が出来るんだろう。

わたしの贖いのために、
一番大切なものを失わなければならないのだとしたら、
神さま、
私は、貴方を捨てよう。

たいせつなものは、
いつもあっというまに消えていってしまう。
うつろいやすいうたかたの世。

気づけば、もう人生も終わり。
そんな気すらする。
まだ、漸くスタートしたばかりなんだろうけれどね・・・。

でも、本当に屈託なく人生を味わったのは、
きっと、何も知らなかった子供時代。
それはそれで、
頭の上に常に石を置かれてるようなプレッシャーを
常に感じていて苦しかったのだけれど。

そんな中で、
世界を少しでも過ごしやすくするために、
この閉塞感を忘れるために、
あたしが探してるもの。

眠れない夜を過ごして。
一体何をしてるんだろうね。
答えを求めているわけなんかじゃないけれど。

傷つけたくない。
そんなお題目で何が解決するんだろう。
人間なんて、他者を喰わなければ存在できないのに。

関わらないこと。
社会から。

この身が溶けて、
電子の世界の信号だけになってしまえばいい。
そうすればきっと、悲しみと無縁でいられるから。

それは、あたしの贖罪。

有機的なものが全て滅びてしまった後に残る、
かわることない無機質の癒し。

（13th Dec.06)