距離感覚

最近ヘタレが多くていやぁね。

全く押さないというのも、
妙にあきらめが良くてすぐへこたれてしまうのも、
ものすごくふがいなく頼りない。

更に言うと、人としての味わいが感じられない。
そうそれはまるでところてんでも噛んでるよう。
いわば「のどごしの人」。

もっと、こう、ぐいぐいと来るような手応えのある人はいないものか。

・・・そう思っていたんだけれど。

どうしてこう押しすぎるのかなぁ？
嫌がっているのがわかんないのかな？

うーん。

多分距離感が掴めてないんだろうと思う。
すぐにへたれる人も。
押しまくる人も。
現れ方は違っても、同じように感覚がないんだろうな。

バランス感覚のない人が、自転車に乗れないように、
人としての距離感覚が欠如している人間が人付き合いなんて出来るわけがない。

しかも、悪いことに、人付き合いの感覚は、
人付き合いを通してでしか学ぶことが出来ないのに。

たくさんの人たちと会うの。
星の王子様のように。

偉ぶりたい寂しい王様や、忙しいビジネスマンや、
偉そうな学者や、理不尽な法律にがんがらじめになっている点灯夫や、
そういったもろもろの人たちと会うの。

滑稽な人もいるでしょう。
腹の立つ人もいるでしょう。
愛すべき人もいるでしょう。

そして・・・。

愛すべき人がたまに憎らしい人に変わるのも知るでしょう。

そして、「本当に」人を知っていくの。
でなきゃ人なんて理解出来ない。
距離感だって掴めない。

最高と最低を知っていれば、
自ずから中庸は見えてくるはずだよ。
近過ぎと遠すぎの間は、適正距離なんだよ。

だから。

苦手意識を取り除いて。
自分の欲望のままにではなくて、
いろんな人たちと、たまにはしぶしぶでも逢ってみなきゃ。
人間観察しなきゃ。
つきあってみなきゃ。

人の味が分かるようになった頃に、
やっと自分も味が出てくる程熟成されてくるから。