Like a prayer

神さま。
どうかあたしを救ってください。

誰も知らない劣悪な環境を変える勇気を私に下さい。
変えられるだけの強さを私に下さい。

人は、一体何に対して頭を下げるんだろう。
不可解な運命に対して、なぜ敬虔な気持ちになるんだろう。
漠然とした不安を持ちながらも、コレでは違うと思いながらも、
目の前にあるものに従ってしまうのは何故なんだろう。

分かっている。間違ってるんだって。
じゃあ直そうよ、言うは易し。

知ってるよ、あたしは意志が強いひと。
それでも道を変えないのは、
本当は、私が変えたくないからなんだろうって。

何が正しいの？

でも正しいのが全てじゃない。
人には義理だってあるし、情だってある。
そしてそれは、たまに、正義よりも強かったりするんだって。

真実は一つじゃない。

そんな良くある言葉を、骨身にしみて知ってるのは
いったいこの世に何人いるんだろうね？

神さま、私は、情を切り札にしていませんか？
わたしが「かわいそうだから」と思う憐れみの心は、
実は自分を正当化するための方便だったりしませんか？
本来は要らぬ情けだったりしませんか？

たくさんある道のどれを進んで良いのか。
コンピュータではじき出す答えは確率の問題だし。
経験則で選び出す選択肢も又、正しいとは限らない。
いいことばかりじゃないけれど、悪いことばかりでもない。

光り輝く真っ白な小石を敷き詰めた道が天国へのゲートなら、
分かりやすいことこの上ないのに。
けれど天国への道がいい道なんだろうか。
先に見える道のどれもがグレイに沈んでいる。

未来が見えたらいいのに。

どうして人は後ろ向きで歩いているんだろう。
見えるのは過去ばかり。
悔やんでもしょうがない過去ばかり。

未来を変える力。
そんなもの、持ってるよ。
未来を開く鍵。これだってこの手にある。

ただ、それをいつ使ったらいいのだろう。
どの方向に開いたらいいのだろう。

神さまはすごいな。
あたしはたった一人の人生なのに、持てあましてしまうよ。
あなたは、よくも５０億もの人間の面倒を見てられるものですね。