別人格

人が別人格を作るのはなんでだろう？

それはきっと関係をやりなおしたいからなんだろうな。

「生まれ変わったら○○になりたい」とか
「今のままの頭で小学校からやり直したい」とか、
基本はそういうコトなんだと思う。

経験をつんだいまだからこそやってみたいんだよね。

普通はリセットできない人生。
だから、責任をもってやってきているんだけれど、
でも、細かな失敗がなかったワケじゃない。

例えば、芸名を変える人。
これは、大抵、今までの仕事と決別をしたいから。
新しい名前で別のタレントとしての一歩を踏み出したいから。

引っ越しや転職も或る意味人生のリセットなんだろうけれど。

そういえば、私も、転校したときにいつも思った。
今までのあたしを知る人はいないってね。
だから自分でなりたかった自分のフリをすれば、
みんな自分が昔からそういう人だったんだと思ってくれるに違いないって。
だから、ある学校では、生徒会会長までやるかと思うと、
ある学校ではひたすら本の虫だったり。

いくつもの仮面を被った少女時代、
だったのかもしれない。

ネットの世界では、もっと容易だよね。

例えば、ハンドルを変える人。
ハンドル（ペンネーム）を変えて、多少しゃべり口調を変えるだけで、
別人だと思って貰えるのは便利だ。

知り合いからも「はじめまして」って挨拶されるだろう。
仲良くしたい知り合いだったら「私だよ私」で済むし、
そうでないならご縁が切れる。
端から見りゃ陰険きわまりないかもしれませんがね。

なんなら性別・年齢・職業だって思いのまま。
実際に逢ってしまったらばれてしまうけれど、
逢わないと決めるんだったら
これほど簡単に別人格が味わえる方法もないだろう。

でもね。

別人格をいくつ作って遊んでみても、
自分自身が作っている人格であることには変わりないし、
いくら「自分の中の或る要素のみを肥大化して作った」と思っていても、
やっぱり人間は一面だけのものじゃないから、
その人格の中に自分のパーソナリティーが全て出てしまっているものだと思うよ。

自分、そのものの呪縛っていうのは、
案外厳しいモノだから。
きっとそのくびきからは一生逃れられない。

あたしはあたし。

そういうこと。