光の街

東京の夜景って綺麗！
世界のどの都市よりも美しい。

高層ホテルのスカイラウンジから、
宝石箱をひっくり返したような夜景を見る。

べっこう飴のような美味しそうな光を放つのは繊細な東京タワー。
独特のシェイプで、不夜城のように輝いているのは六本木ヒルズ。
名も知らぬ一つ一つの光の下に隠れる一人一人の生活。

ジャズピアノを奏でながら女性シンガーが歌う。
カクテルが運ばれてくる。
まるで子供の頃に憧れた「大人の世界」そのままじゃん。

このまま、光の街がもっともっと広がっていけばいいのに。

というか、最近、「光害」の問題が声高に叫ばれている。
一年に一晩で良いから、電気を消そうという運動が流行っている。
けれど、わたしはその必要を感じないの。

だって、こんなにも綺麗なんですもの。

そう。
どんな世界中の都市を集めたってかないっこない。
香港の１００万ドルの夜景だって、東京に比べたら子供だまし。

光害で星が見えないですって？

・・・見えなくていいじゃない。
っていうか、見えなくて何が悪いのさ？

空に星が無くても、
地上はダイヤモンドのように輝いているわ。
夜空の星座の一つ一つに、太古の昔からのストーリーがあるように、
このきらめきのひとつひとつに、人々の物語が眠っている。

こんな光の都市、天然記念物ものよ。
星なんか見えなくたって構わない。
見たいんだったら田舎にいけばいいんだから。
そして広い地球の上、東京以外って果てしなく広がっているんだから。

（17th Apr. 2006)