良いカッコしてると犯罪に巻き込まれる？！
あたしだけじゃあないと思うけれど、
海外いくときとか旅行の時に気を抜く人が多いよね。
特に海外旅行の時ね。
気持ちは分かる。
というか、それがセオリーだと、常識だと信じていたよ、理香も。
ガイドブックだってそう書いてあるところもあるしね。
曰わく、あんまりきんきらきんの格好をしていくと、
一目で日本人と分かってすりや詐欺などに狙われやすい。
よれよれのジーパン＋Ｔシャツなんかで手ぶらで歩いていれば、
犯罪に巻き込まれる確率も減る。
理香の場合は、とにかく、荷物かなぁ。
少しでも荷物を軽くしたいの。
だから、旅行とかいくことになると、どーでもいいものを持っていく。
下着でも、靴下でも、Ｔシャツでも・・・。
そして、着るはじからどんどん捨てていくの。
帰りは、洋服も大分処分出来るし、
あいたスペースにお土産を詰めれば、効率的じゃない？
汚れた下着類を旅行期間中、例えば３日でも一週間でも、
スーツケースの中にしまっておくのはどうも生理的にいやじゃん？
理香も昔は、お部屋で洗って干して、また使う派だったのね。
そうすれば、持っていく下着やお洋服は少なくて済むし、
干しておくことによってお部屋の湿度が上がって、
寝ている間に喉をいためなくて済むじゃない？
でも、行く土地の気候によっては、いつ乾くかわからないこともある。
あったかそうなスペインや、マレーシアでも、
室内はなぜだか乾きが遅くて、自然乾燥で２，３日かかることがある。
（旅慣れた友達に言わせると、
理香が洗濯物をちゃんと絞り切れてないかららしいんだけれどね。
絞った洗濯物を、乾いたタオルに包んで、上から足で踏みつけるなどすると、
十分に水気を取ることが出来て１日２日で乾くとか。）
それよりもなによりも、同室の友達がいる場合に、
洗濯物を干すことによって部屋の美観が損なわれるのが一番いやかな。
靴下やパンツがそこらへんに吊られていて気分のいい人なんていないじゃん？
ましてそれが他人のパンツだったら！
だから、捨ててもいいようなどーでもいいものをもっていく事にしている。
どっちにしろ、理香の場合、こんなお仕事をやっているんだもん。
同じ洋服ばかり着ているわけにもいかないじゃん？
だから、少し着た服を人にあげちゃったりすることも多いし、
ぶっちゃけ、めんどくさいときには捨てる事も多い。
どっちっていえば、迷わず質より量！と答えなければならない職業ね。
（そりゃあ量も質も良かったらそれに越したことはないんだけれど）
お仕事的に、ポイ捨てしても一向に差し支えないものが、
常に家の中にいっぱいある、という状態だから出来る事なのかもしれない。
出張とか旅行は多いけれど、
その度毎に、処分させて貰っています。
ところが、そんな理香の「常識」に、疑問を持ち始めたのです。
その原因は、先日、一緒に海外のお仕事をした、紅林ミキちゃん。
彼女とずっと同室で彼女のスタイルを見ていると、
今までの理香のやり方以外の方法を考えさせられてしまいます。
彼女の場合は、今はレースクイーンやモデルのお仕事を殆どやめています。
そして、お母様の会社のお手伝いをしているのですが、
海外に買い付けなどに出掛けることも非常に多いのです。
そんな彼女は、海外では常にまぶしいぐらいのブランドモノを着ているのです。
いや、日本にいるときも、そうでした☆。
特に海外だからというワケでもないのかもしれません。
実は最初見たときには、びっくりしました。
「げ。彼女はみすみす『私から盗んで』と宣伝して歩いているんじゃないの？」
「海外じゃあ危ないからあんなカッコしなきゃいいのに。
海外慣れしているハズなのに彼女はそんなこともわかんないのかな？」
なんて思ったりもぶっちゃけしました。
でもね、その考えはすぐに違うことが分かったのです。
いや、何が違うっていうのは本人の感性だから、
私の考えも正しかったのかも知れないけれど、彼女の考えも正しい。
そして、私は彼女の考えの正当性が理解出来たって事ね。
「捨てる寸前」のボロＴを着て歩いている私と、
靴から鞄から全てブランドの彼女。
一緒に歩いていたら、はっきりいってあたしがボロ着ていたって関係ないよね。
二人ともボロだったらいいんだけれどさ〜。
しかも、現地で彼女の友達と逢うと、
友達達も、（まあ地元だから当然といえば当然だけれど）、
やっぱり素敵なブランドで固めていたりするわけよ。
不自由な旅行者の理香としては、今更合わせるワケにも行かず。
でも、「旅行者だから」といちいち説明してまわるわけにもねえ。
第一、ここらへんの現地のお金持ちさんたちは、
海外旅行に行くときにはやっぱりボロを着る習慣があるのだろうか？
っていうか、多分ないべ？
だとしたら、あたしって「相当貧しい子」に見られてない？？
もちろん、ボロＴと言っているけれど、
実はそれは理香的な謙遜で、そこまでボロでもないんだけれど、
けど、やっぱり「今日着たら捨てよう」と思っている服を着ている、
そういう精神的な負い目があるんだろうな。
「歩きやすいカッコで」「現地になじむように」
というのも颯爽としていてかっこいい事だけれど、
こうやって、現地のお友達に良いレストランに連れて行って貰うっていう時には、
かなりみじめな思いをしなければならない事を覚えたよ。
まあそれでも気にならないような太い神経だったらいいんだけれど、
どうしても「その国で良いと思われている事」に合わせたい理香としては、
ちょっと自分自身のスタンスが微妙かなぁ。
で、思ったんだけれど、
例えば、ブランドモンを着ていたとしたって、
それ自身がターゲットになるかどうかは微妙だってことに気が付いたの。
うまくいえないけれど、
全身ヴィトンで歩いているとするでしょ？
でも、じゃあ、何が危ないの？
そんなことが分からなくなってきたの。
危ないっていうのは、結局思いこみなんじゃないの？？
だって、盗むなら、彼女を裸にしなくてはならなくなる。
けど、誰が、中古のブランドシャツや、人が履いた靴が欲しいの？
いや、貧しい国ならアリかもしれないけれど、
けど、もしかしたら、パチものかもしれないじゃん？
ほら、そこらへんの屋台で沢山売ってるじゃん。
もしやるなら「誘拐」かなあ。
でも、国内の人ならともかく、海外ツーリストじゃあね。
日本国を脅せばいいお金になるかもだけれど、
その分リスクも大きいぞ。
危ない国なら危ないかも知れないけれど、
日本人がツアーで行くような国とかは比較的安全だから。
危険度が高いと言われる国だったら心配すればいいけれど、
海外だからといって即危険という事はないんだよね。
寧ろ、・・・これは理香も日本で時々やるんだけれど、
逆に派手な格好をすることによって、世間様の注目を集めること。
すると、スリだの痴漢だのは、注目を集めたくないから、
結果的に私には手を出さない。
犯罪者は、心理的にこそこそしているから、
地味で目立たないものを好む習性があるじゃん？
そこそこ治安のいい国ならば、きっとこれは応用出来るはず。
まあ、一時期流行ったバルセロナの首締め強盗とか、
イタリアのちびっこギャング達とか、
ああいう派手なヤツには太刀打ちは出来ないかも知れないけれど。
でも、それはどんなカッコしていても、
ツーリストと思われれば狙われるんじゃあないの？
一番ありえそうなのはひったくりだけれど、
でかい荷物をぶらんぶらんさせて歩いていたらやばいけれど、
彼女は、いつも小さなポーチだけかけて歩いているのね。
なるべく最小限しか持ち歩かないっていうのは賢いかも。
そうだね。
徹底するなら、数千円から一万円ぐらいのお札をマネークリップで留めて、
ジーパンのポケットにつっこんどくとか。
ちゃら銭は、ジーパンの前ポケットにそのまま入れるか、
ちゃら銭用の小銭入れに入れて、これもポケットかポーチだな。
後は、カード。
普通の国の普通のお店ならカードは使えるから。
ただ、ＪＣＢだと海外ではかなり微妙だけれどね〜。
しかもカードのサインは、漢字にしている。
中国とかだと同じ漢字ユーザーだから微妙だけれど、
特に西洋とかイスラムとかだと、絶対安全だよね。
英語のサインだとマネをされてしまうことがあるから。
漢字ならうちらが見れば一発でネイティブかそうでないかは分かるでしょ？
ウマイ字が書けるとかヘタクソとかそういう意味じゃなくて、
そもそも根本的に漢字ユーザーでない人が、マネして書いた漢字には違和感がある。
だから、おおきなお買い物は保証もあるからカードにまかせて、
持ち歩くお金は、一番最大で１万円程度で十分だと思う。
というか、日本が一番物価が高い国じゃん？
だから、一万円もあれば全然余裕。３０００円ぐらいでも十分。
これなら盗られてもまだ我慢出来るでしょ？
おおきな買い物をカードも使えないようなお店で使うのは逆に考え物だしね。
ちなみに、ミキミキは、
いつもそんな「歩くブランド」というか「ザ・日本人」みたいなカッコしていても、
一度も犯罪に巻き込まれたことはないみたいです。
そう考えると、「良いカッコしていると犯罪に巻き込まれる」っていうのは、
あたしたちの思いこみ？！
そもそも、そんな風説を広めたのは誰だ？！
あたしの考えというか仮説なんだけれどね、
それって、Ｈな日本人男性が広めたんじゃないの？！
いかがわしいお店とかに行くでしょ？
したら、いかがわしい街を夜歩くことになるし、危険じゃない？
しかも、お店入ったらお洋服脱ぐし。
身ぐるみ剥がれる危険性だってあるじゃん。
だから、まともな女の子が、わざわざぼろいカッコすることはないよ。
（といっても、行く国にもよるだろうけれど・・・。
犯罪多発な国なら絶対目立たない方がいいとは思う。）
むしろ、行った先で恥ずかしくないようなカッコの方がいいと思った。
「きちんとした人間だ」って分かれば、きちんとした応対だってしてもらえるし。
まあ、タクシーとかでぼられる可能性はあるけれどね。
でも、それは毅然とした対応で対処出来るし。
逆に正直な運転手にチップをはずんであげればいい。
どうせぼられたって日本よりも安いんだから！
それも、「飢え死にの危険性のない豊かな国日本」から来た人間の、
「ノブレス・オブリージュ」だよ。
（02nd Apr. 2006)
