喜び

私の母は、私が生まれたときに、
人に喜びを与える子に育って欲しい、と願ったそうだ。

私は勝利の女神。
わたしと関わって、不幸になった人はいない。

ただひたすらに喜びをあげる。

でも、喜びをあげるってなんだろう？
人の望むものをいちいち全部与えるわけにはいかないのは、
神さまだってご存じな筈。
第一人が発展するのは、絶え間ない苦難の連続に対して、
人間達が試行錯誤をするからなんじゃないの？

でも、苦しいことが喜びなのかっていったら全然違うし。

北朝鮮の「喜び組」なんてのも、確かに喜びは喜びだろうけれど、
欲望の満足系だよね。

多くの人の不幸の上に立つ喜びなんていうものは、
所詮は「喜び」と感じてはいけないものなのかもしれない。

みんなが喜び、あたしが喜ぶ。
そういう喜びのサークルのためには、
常に全体を見渡す目が必要なんじゃないのかな。

全体・・・。

それは時には、厳しいコトも言わなきゃならないだろう。
でもね、どんなに厳しいコトであっても、
いい方とタイミングさえ間違えなければ、
その人の心を開きつつ、愛を込めて言えば、
きっと受け入れてくれる。
どうしてなんだろうね。
厳しいことはきつく言わなきゃならないと思って、
こつんと殴るようなモノイイをしてしまう人が多いのは。

どんな時でも、どんな人にでも、
慈愛の心を。
慈愛なんていうと、大きすぎるかな。
でも、愛、だと勘違いするでしょ？
そう。だから、「喜び」。
この言葉には手あかがついてないから。

（12th Sept. 2005)