運命

運命ってあるのかなあ。

心の中でシンフォニーが鳴り響くような出会いとか、
これがなかったら人生は違ったというような印象的な出来事とか。
奇跡的に合格してしまった試験とか。
友達の言った一言で性格が変わってしまったとか。
いろんな時に、運命って感じたりするよね。

神さまの存在って信じる？
あたしは信じてる。
でも、もしかしたらあたしの信じている神さまは
とても変わった神さまかもしれない。

宇宙の始まりのビッグバン。
この時に散った、気の遠くなるような電子のカケラ達が、
全ての運命を決めたとしたら。
そう。全ては、万華鏡の中の世界のように、
起こりうべくして起こった一連の流れなんじゃないのかしら。

意志の力というけれど、
意志そのものが既にコントロールされているとしたら？
「変えてやる！」と思うという行為自体が、
はるか太古の昔からもともと仕組まれたモノだったら？

そう考えていくと、漠然とした寂しさを感じるよね。
何をやっても無駄なんじゃないかというような、
虚脱感というか、虚無感というか、
そう、絶望に襲われてしまう。

「変えていける」そう思えるからこそ、
生きていることに価値があるわけであるんだろう。

そういえば、昔の王様って結構狂信的だったでしょ？
「自分は王になるために生まれてきた」とか
「天命我にあり！」みたいなことを本気で信じている人。
でも、アレはもしかしたら本当に「そう考えればそうなる」って分かってたのかも。
そう考えられるようなマインドで生まれてきたのもまた宿命。

あなたの生まれる遙か昔、
何十億年もの昔から、あなたがこの文章を読むのは決まっていたんだよ。
ロマンティックといえば、ロマンティック。
赤い糸？といえば赤い糸。

そして、あたしたちが、影響し合うのもまた運命なの。
この階段を手を取り合って昇っていくのも。

（07th Sept. 2005)