夢

この世界で一番大切なモノはなんなんだろうって考えてみた。
愛？神さま？お金？友情？睡眠？自己満足？
まあどれも大切だし、どれかを選ぶなんてばかげてるよね。

でも、一番大事なモノは、なんなのか、最近分かってきた気がする。
それは自分の心の中にあるもの。

うん。「夢」かな。

え。違うよ。
そんな、子供っぽいなあなんて笑ってる場合じゃないよ。

もしも子供と一緒の答えだとしたら、
きっと、子供は本能で私と同じ選択をしているだけなんだ。
或いは、同じモノを例にあげているかもしれないけれど、
きっと見ているモノが違うのかも知れない。
同じ琥珀を見て、表面のキラキラを喜ぶ人もいれば、
中に封じ込められた太古の水に興味を持つ人もいるし、
ヒーリング効果を重宝する人がいるみたいに。

理香の考える「夢」は全てのエネルギーの源。
意志の力の結晶。

夢、と、それに伴う付属器官として、
意志の力や勇気が生まれてくるんだよね。
コレがなかったら、ご飯を食べないで運動しているようなもの。
身体に力が入ってこない。
生気のない一生になってしまう。

夢があるから、明日も生きようと思う。
夢があるから、傷ついても立ち上がろうともがく。
夢があるから、プライドだって捨てられる。

自分というマシンがちゃんと一人で機能してはじめて
人を愛することだって出来る。

夢と愛は似ている。
もしかしたら言い換えられるのかも知れないと思うこともある。
でも、愛は、対象がなければ成立しない。
夢は、漠然とでも見ることが出来る。
だから、夢は愛を含む集合なのかもしれないね。

夢は食べることだって出来る。
普通の食べ物は血になるのかもしれないのだけれど、
夢は、アドレナリンやエフェドリンになって、脳の中を駆けめぐる。

夢は薬にもなる。
痛みすら感じない。
不幸すら感じない。
甘美ですらある。

夢はフィルター、或いは調味料。
世界の景色を一変させる。
赤はより赤く、碧は果てしなく碧く。
黄色は輝くように光り、緑は萌えるように鮮やかに薫り立つ。

夢は、全ての根元。
アイデンティティーの根幹を支えるもの。
きっと、世界で一番大切な法律。

（01st Sept. 2005)