東京
「明日東京を一人で回りたいんだけれど、
何処に行ったらいいと思う?」
地方から来た友達からそう質問されました。
こういう質問されたら、みんなはどう答える?
まあ、その「地方」の種類にもよるんだろうけれど・・・。
東京って、ホントに表現しがたい街だと思う。
なんでもある。
けれど、こういう漠然とした質問だと答えられない。
逆に地方なんかだと、これしかない!という名物があるから、
「○○来たら○○だべさ」という場所や食べ物が必ず一つ二つあるじゃん。
東京は、正直何もないよね。
いや違う。なんでもありすぎて答えられないと言うべきか。
とりあえず「ディズニーランド」と答えてみたんだけれど、
イマイチぴんとこない顔。
「東京タワー」なんてのも、あたしたちにとっては意外と新鮮だけれど、
意外と地方の人には「ふーん」ってカンジ?
「台場」とか「フジテレビ」も考えたんだけれど、
行って何があるわけじゃなし。
つか、全部デートコースじゃん。
一人で歩くカンジじゃないよね。
っていうか、そもそも、
一人でどっかに出歩くコトって無いような気がする。
人にはそれぞれの生活とかあるんだし。
まあ、状況的に、意味は納得は出来るんだけれど、
「何かやりたいんだけれど」って相談も、かなり違和感を覚えるよね。
まあデートとかなら分かるよ。
プランの練り甲斐もあるんだろうけれど、
一人で何したらいい?って言われても困る。
もしも一人で出歩くことがあるとしたら、
例えば「これが買いたい」とか「これをしなきゃ」とか、
何か明確な目的があって出歩いているコトばかりな気がする。
まあそれは地方とかでも変わらないのだろうけれどね。
目的もなく徘徊しているというのは、
渋谷のギャルとか、六本木たむろっているギャル男君とか、
新宿あたりの職業不詳の人とか、
ナンパ目的で池袋の公園辺りにいるような人たちとか、
そんな人たちしか思いつかないんだよねえ。
そっか。
東京は、「目的」を必要とする街なのかもしれないな。
そこで聞いてみた。
「貴方は何が好きなんですか?」って。
「お酒は好き」と答えが返ってきたので、
それならば、自分が飲んでみたかったお酒を探してみれば?
という提案をしてみた。
東京には専門店も多いから購入するのも面白いだろうし、
或いは現地で買い付けてくる系のワインバーもたくさんある。
でなかったら、有名なバーを飲み歩くというのもあるよね。
例えば、「神谷バー」で電気ブランを飲んでみるとかさ。
文豪がよく飲みに来たなんていういわくのある「文壇バー」とか。
世界のバーもたくさんあるよね。
理香が最近ちょっと気に入っているのはアイリッシュ・パブ。
ガイジンばっかり集まっているような立ち飲みやみたいなのも面白い。
あと、カフェなんかでもドゥ・マゴみたいな海外で有名なお店の日本版とかもあるし。
あたしはここでオリーブの盛り合わせとワインを頼むのが好きよ。
いろいろ提案してみたんだけれど、
そこまでお酒が好きという訳でもないらしいので、
また考えてみた。
例えば、本が好きなら、神田の古本街を歩くのもいいだろう。
貴重な本の原本を、国会図書館などで借りてみるのもいいかもしれない。
ロゴスみたいな洋書やさんで世界の美術書を購入するのもいいかも。
購入しなくても、美術館とか博物館とかたくさんあるし、
そこで何かを見るだけでも素敵かもネ☆!
お買い物だって、選択肢はたくさんあるんだし、
地方帰ってから「これは東京で買ってきた」という思い出になるようなもの、
例えば鞄とか洋服とかお財布とか、
ちょっとシャレたものなんかを買うって言うのもいいかもしれないね。
車が好きなら、車やさんもたくさんあるし、
車の美術館・博物館・コレクションも東京近郊にはたくさんあるよね。
というか、今なら丁度二年に一度の乗用車の祭典「モーターショウ」もやってる。
これはタイムリーでいいかもね。
そうそう。イベントが多いんだよ。
せっかくだから、劇団四季なんかの舞台を見ていくのもいいかも。
小さくて、地方まで回らないような演劇を小劇場で見るのも素敵。
イベントはたくさんあるから、「ぴあ」みたいなものでチェックして、
どれに興味があるかちゃんと考えた方が効率的かも。
でも、「何」という目的がないと、アドバイスしにくいなあ。
その人の趣味とか性格とか分かっていればもうちょっと親身になれるのだけれど、
悪いけれど何も知らないし。
「目的」がないと前へ進めない街。
なんか象徴的な気もするし、現代的な気もするし。
でもそれが東京なんだろうな。
ポテンシャルは大きいんだけれど、
雑多すぎて、これを把握して自分のモノにしていくためには、
それなりのスキルとか頭とかいろんなものが必要だったりする。
限りない可能性を秘めているんだけれど
使えない人にとっては宝の持ち腐れってカンジかな。
(30th Oct. 2005)