フリーランスの人付き合い所感

理香は「NOVA」に通っている。
いやね、ぶっちゃけ、通うことになる日が来るとは思ってもいなかったよ。
だって、あたし、英語なんて、日本人が日本語をしゃべったり習おうと思わないように
習わなきゃならないなんて思ったことなかったもん。

でもね、必要性が出てきたんだよ。
例えば、理香が、１６歳から１８歳まで日本人の全くいないところに住んでいたのね。
したら、日本語が・・・全然しゃべれるはずの日本語が、
全然たどたどしくなって出てこなくなってしまったんだもの。
わずか二年間しかいなかったのに。
アメリカでは「あなた早口だよね〜」と友達に呆れられていたのに、
日本に戻ってきた途端に、ものすごくスローで「あれ、あの」としか言えなくなった。
頭の中で変換が出来ていないんだよ。

ちょっと話はずれるけれど、同時通訳のヒトとかすごいスキルなんだよね。
そんじょそこらの「しゃべれます」では太刀打ち出来ない。
アレは、すごい訓練を常に受けていないと出来ない技。
しかも、しばらくやらなくなった途端に出来なくなってしまうらしい。

語学ってそんなもんなんだよ。
だから「続ける」ことが必要になってくる。
あたしも日本長くなってきているし、
英語使う機会が減れば減る程、どんどん使えなくなっていて、
自分の中で「これじゃいけない！」って思うようになりはじめたのね。

そもそも英語に限らず、
語学なんて習ったってそうそうしゃべれるようになるもんじゃない。
少しなら問題ないだろうけれど、
自分が全くストレスないぐらいに習熟するのは相当難しいと思うよ。
だから、「NOVA」みたいな英会話学校なんて、
ホントは初心者向けじゃなくて、
「語学力維持」に使う方がはるかに向いていると思うよ。

ところが、ある人からこんな事言われた。

「俺は、おまえが英語しゃべれるっていったから○○に紹介したのに、
いきなり『NOVA通ってます』なんていって、俺の顔を潰しやがって。」
「第一おまえがアメリカいたなんて俺信じないからな。
NOVAなんて初心者向けに通っているってどういうことだ。
それで『英語がぺらぺらです』なんて
おまえの行ってることはむちゃくちゃで支離滅裂。
意味が通じないんだよ。」

理香としてはホントに言われている意味がわかんなくてきょとんとしてしまった。
だってさあ、帰国子女の人たちで、アメリカに十数年いても日本が長くて、
全然英語しゃべれなくなっているヒトってうじゃうじゃいるじゃん！
日本人でも、アメリカとかアルゼンチンとかに移住してしまった人で、
何年も現地で生活している内に日本語がチョーへんてこになってるヒトなんかも多いし。
理香、ちゃんと帰国しても努力しているってことをアピールしたかったんだけれど？

しっかし、なるほどね。
おじさんたちってそういうモノの見方するんだぁ。
なんか英語信仰でもあるのかしら？
「アメリカで育ったヒトは特別だから英語は勉強しなくていい」みたいな？
もしかして、占領されていた頃のコンプレックスかしら？
っていうか、多分、実体が分かってないのだろうなあ。
というか「アメリカ住んでいたコト認めない」って言われてもねえ。
別にアナタに認められる必要性はなくて、ただの事実なんですけれど。
というか、本人が一人で勝手に頭が固いのは一向にあたしは構わないけれど、
それでこっちが被害うけるのはたまらんなぁ・・・。

何しろ勝手に暴走モードだからたまったもんじゃない。
勝手に思いこむ。
→勝手に周りを巻き込む（○○もそう思っていたとかそう言っていたとか）
→勝手に怒り出す
→おとなしくはいはい聞いたり黙ったりしてると増長して益々説教モード。
→しかも事実無根だったり勘違いだったりする。

あー。あり得ない。
しかも一番理香がいやだなあと思うのは、勝手に周囲を巻き込むこと。
しかも内容的にその場にいたヒトのコトを挙げるじゃん？
あたしも知ってるヒトの名前ばっかりあがるんだよね。
もし彼が何か誰かの文句を言っていたときにうっかり相づち打てないな、こりゃ。
でないと「藤咲も言っていた」ことにされそう・・・。
それに、こんなお説教したがるタイプのヒトに、
何かモノを頼むと後々厄介かもしれない。
後でまた急に大声で怒られる羽目になるのもめんどくさいし。
別に頼りがいのある、かわいがってくれる、優しい目上の方々はたくさんいる。

流石に、その時はあまりなむちゃくちゃな言い分に、
その場にいた他の方がフォローしてくれたけれど、
なんだか理香はびっくりしてしまったよ。

まあ、酔っぱらったイキオイなんだろうとは思うんだけれど、
だとしたら、酔ってイバリ散らすようなヒトは理香に関わって欲しくないんだが、
まあ、それはおいておくとして、
理香も、その言い分は明らかに間違っていると思うし、
おかしなコトはおかしいと言わないと気が済まないタイプ。
（相手が女の子だと言わないこともあるけれど）
「こんな思いをした仕事は一度もないし、もう結構です」
まで言ってしまいました(-_-;)。
ああ、あたしも若い（苦笑）。
実は、あたしは「怒ったこと見たこと無い」「理香ちゃん怒るの？」なんて言われるぐらい
「温厚な人」で通っていて、なかなかキレることがないんだけれどねえ。

まあ、たまにキレると、
逆に珍しいのでこうやってメモランダムのネタにさせて貰ってしまう訳です。

閑話休題。

それはそうとして、
相手が誰であっても、もう別にこの人と二度と会わなくてもいい
ぐらいのつもりで日々いつも生活しています。
それが良いこととは思わないけれど、
人でもモノでも、執着というものがあるとストレスたまりますよ。
特に、あたしたちみたいなフリーなお仕事しているんだったら、
過剰なストレスは避けるべきだよね。
ヒトとしていい人なら、いい人である限り仲良くさせて貰うし
ちょっと苦手だなと思うなら無理する必要性は全くない。
それが、うちらのお仕事のいいこと。

それに、くっついているのがその人のためにならないから、
さっさと距離を置きます。
そういうヒトには、いずれひとりぼっちになって、
本人に考えさせるきっかけと更正する機会を与えた方が良いと思うんだよね。
「最初は慕われるんだけれど、仲良くなるとみんな離れていくな。どうして？」
って気づいてくれることを願って。

まあ、ストレス感じてもつきあっていこうと最大限の努力をするのは、
たった一人の特別な人に対してだけでいいのではないでしょうか？

（13th Oct. 2005)