逢えない時

もしも、あたしと貴方とが暫く逢えなくても。
忙しくて連絡すら取れないような状態だったとしても。
いつまでも同じように愛し続けられたらいいね。

分かっているよ。
人は時とともに変わっていってしまうということを。
そして、どんなビビッドな思い出も風化してしまうと言うことを。
でも、それでも、同じ気持ちで、
いつまでも愛し続けられたらいいね。

「君に会えなくても大丈夫。
いつも前向きにコトを考えてる。
離れてても同じ空の下、きっと又逢える。
だってぼくらはいつもつながっているんだ。」
そんな「以心電心」みたいな達観した気持ちには到底なれなくて。

だって、繋がってないし。

電話やメールが、どれだけパワーを持っているのか、
あたしはやっと気が付いたのかもしれない。
離れていても、人の言葉はいつまでも届くんだから。

思い出だけを心のよりどころにして、
それだけをただ信じ続けるのって、不可能？
江戸時代の昔だったら有り得るのかも知れないけれど、
通信手段がないなんて世界は古典の世界。
ぴんとこないんだ。

あたしもイキモノだから、
気持ちはアップダウンするし。
あたしが主演するあたしの人生という演目。
その一瞬一瞬をあたしと一緒に目撃していて欲しいという気持ちは、
いつも、ずっと、感じているの。

逢えない時間が、気持ちを育てるって、ホント？
あたしは、消耗させていくだけだと思うんだけれどな。
数時間から数日だったら離れている時間は必要だと思うけれど。
遠距離恋愛の人たちって、
きっとものすごいパワーをそれに使わなきゃならないだろうな。
消耗分に負けないモノが必要になってしまうんだから。

それでも・・・。

いつまでも信じていたい。
いつまでも信じて欲しい。
そう願ってる。

夢は叶わないから美しいのかな。
それとも夢は叶えることが出来るから美しいのかな。

切なさに、虚しさが混じるようになったら、
きっと、もう終わりなのかな。

分かってるよ。
あたしは結論を出すのが早いんだよね。
というか、あまりにハイスピードで人生を生き急いでいるんだよね。
そして、またぐるぐる周りのメビウスの輪の、
最初に戻っていくんだろうね。

（10th Oct. 2005)