放っておくのも愛情

人の考え方は千差万別。
そして、理解の仕方も千差万別。
わかっちゃいるんだけれど、
どうしても人は自分と同じだと考える癖があるようだ。

そりゃあ人間はみな平等だけれど、
育ってきたバックグラウンドも違えば、
経験の量だって質だって異なっているんだから、
その人なりの理解レベルがあると思うんだよね。
レベルって言うと「どっちが上」とかいう話になってしまいそうだけれど、
そうじゃなくて、単純に区分けの問題ね。

つまり、分かりやすく言うと、
その人によって「響く言葉」も違うわけだし、
逆に同じ言葉を悪くとられることだってあるんだろうなあ。
ってこと。

私は、これまで「話せば分かる」って人だった。
どんな人でも、どんなカルチャーを持っていても、
人の基本的な真理は変わらない。
人に対して真剣に接して、よくしてあげていれば、
きっとお互いにいい関係を保てるはず、だと。
何時間でも、溝を埋めるぐらい話し合えば、
きっと、お互いを理解しきれるハズ。

でもねえ、話すとかえってややこしくなるコトなんかもあるみたいだ。
特に、第三者なんかが入って来ちゃうと、
どうも話がおかしくなってくるコトが多いような気がする。

自分で伝えきれたと思っても、
案外ひとりよがりで、相手に理解されてなかったり。
理解されないならされないで、
そのまま解決が付くまで心の内で納得するまで悩んでいてくれればいいものを、
これまた親切心で動かれるとちょっと面倒くさいことになったりする。
誰も、悪くないだけに、厄介だ。

そういう時には、放置、という方が親切なのかもしれない。

何日か分からない。
何年かもしれない。
何十年かも知れない。

まあでも、いつか理解してくれればいいさ。
いつの日か、きっと機は熟すものなのさ。

年をとり、いろんな経験を積んで、
いろんな人と出会い、いろんなフリクションを味わい、
そして、キャパが広くなったときでいいや。
今無理に合わせると、多分、壊れる。

（14th Nov. 2005)