フェアリーテイル

もしも私が、
「いばら姫」や「シンデレラ」などのフェアリーテイルに出てくるような
魔法使いだったら何をあげることができるんだろう。

今日、生まれて１年目を迎える
理香のお友達のお子さんのお誕生を祝いながら、
ふとそんなことを考えてみた。

毎年、何か一個ずつ、美しい祝福を子供にあげたい。

何が良いだろう。
なんか人に良いことを願うって言うのは、わくわくするよね。
そうだなあ・・・。

お誕生の瞬間。
その喜びを祝って、最初のギフトを。
これは、やっぱり「健康」を願いたい。
生まれ落ちてから、どうぞ無事で非力で弱々しい赤ちゃん時代を生き抜き、
若い頃は頑丈で生き生きとしたパワーに満ちあふれ、
そして、老いては尚、寝たきりなどにならず、
最後の瞬間まで不自由なく健康な一生を送って欲しい。

一年目。
一歳のお誕生日を迎え、これから立ったり歩いたりする頃。
ちょっと子供のことは分からないけれど、
もしかしたらもう立ったり歩いたり話したりしているのかもしれないけれど。
そんなあなたには「知恵」をあげたい。
世の中のみるモノ全てが好奇心を刺激して、沢山のコトを学んで欲しい。
「利発な子だね」と周囲の大人達に言われるような子であって欲しい。
あなたの一生が豊かになるように。

二年目。
二歳目のお誕生日。
この頃は思いっきり自己主張出来る最後の年になってくるはず。
おなかが空いたから泣く、というのもこの辺りまで？
いろんな同年代の友達に負けないように、
二年目には「競争心」をあげたい。
この人間社会を生き抜くための強さは「負けるモノか！」という気合いなのだから。

三年目。
そろそろ自我も確立してきてワガママになる頃なのでは？
公園デビューして人との関わりが出来るんじゃないかと思うんだよね。
あなたには「優しさ」をあげたい。
人に対するやさしさと思いやりは、きっとあなたの人生を豊かにするモノだから。

四年目。
そろそろ目鼻立ちが整ってくる頃かな。
この年齢になったら「美しさ」をあげたい。
美しさは、女性の最大の武器。
でも、持って生まれた美しさだけで怠けることがありませんように。
美しさは絶え間ない美意識の高さで、どんどん向上していくモノだから。
これ以上、をいつも目指して欲しい。

五年目。
あなたには「豊かな感性」をあげたい。
何が美しいのか、音楽、絵画、芸術、自然、人の心。
そういったもろもろのモノを感じ取れるような、感性をあげたい。

六年目。
あなたには「考える力」をあげたい。
「知恵」と「知性」は違います。
発見したモノ、聞いたこと、
そういう物事を頭の中で組み立てることができますように。
知性、というものは、「知っている」だけでは弱すぎます。
世の中は「応用力」なのです。
モノを考えるということを早くから身につけて、
視野の広い人間になっていって欲しいと思います。
世界は一つじゃないです。そして、いろんな人間がいます。
皆のことを受け入れる受容性を持ち合わして、全て吸収しましょう。
やがて、豊かな実りをもたらすように。

そして七年目。
一体何年目までギフトをあげることが出来るんだろうか。
まあきりが良いし縁起がいいから７つにしておこうかな。
最後にあなたにあげたいのは、「人を愛する心」。
人を愛するというのは、世界を動かす基本です。
情けは人のためならずといいますが、
めぐりめぐって、きっと貴方は幸せになるでしょう。
あなたが間違えた道に入ったとしても、決して周囲が放っておきません。
友人に恵まれ、守られ、安全なのです。

非現実的なギフトを並べてみました。

でも、海外の「物語」では、なぜかそんな話が多い。
例えば、名付け親から何か不思議なギフトをもらう、とかね。
子供心に「そんな虫のいい話があるんだったらあたしも名付け親欲しい」
なんて思ったモノだった。

いや、待てよ。理香も名付け親、いるなあ！
今、書いていてふっと思い出したよ。
理香はカトリックなので、
「洗礼名」とか「堅信名」の名前があるし、
当然名付け親もいるよ。アメリカだけれど。
それに、そういえば、確かにプレゼントを頂いた。
まあ、理香の場合は、十字架とかロザリオとか、聖セシリアの像とか、
そういう類のものだったんだけれど。
もしかしたらアレに不思議な力が宿っていて、
困ったときに金貨がざっくざく・・・なんてワケないけれど、
まあでも、おうちの玄関でいつも理香を守ってくれています。

（12th Nov. 2005)