カルマ

もしも何か不幸な出来事があったときには、
今から語る言葉を思い出して。

私は、世界の幸せと不幸は、丁度「陰と陽」みたいなもので、
調和が取れているのだと思っています。
どちらかが多くてどちらかが少ないという訳ではなく、
全ての要素が上手く交わっているということなのです。

世の中は不思議。
「人は全て平等」なんて言われているのだけれど、
実際問題、「神さまは不公平だ」と思うぐらい、
いろんな美質を持って生まれてくる人もいます。
私はそれを「神さまに愛されている人」と呼んでいます。

ただし、「神さまに愛されている人」というのが、
幸せなのかどうかは知りません。
なまじっか素晴らしい才能を持ってしまったが為に、
早くからちやほやされて自分を見失ってしまった人も知っています。
「あー、こんな才能がなかったら、
きっと、もっと幸福な人生が送れただろうになあ・・。」
そんな風に思ってしまうような生涯を送る人もいます。

例えば・・・。
セナって、ホントに素晴らしいと思う。
神さまに愛されている人だったなあと思う。
けど、セナは、神さまに愛されたが故に、早く亡くなってしまった。

神さまは、人に素晴らしい愛情を与えてくれますが、
その愛情は時に残酷です。
人間レベルで考えたら、の話ですが、
私たちは人間なので。
うん。はっきりいって「残酷」です。

イエスは、神の子として生まれてしまい、
人間の誰もが叶わないぐらい神に愛されました。
けれども、結末は？・・・みなさん知ってますよね。
自分の死刑を見物してるひとびとからあざけり、ののしられ、バカにされ、
処刑場のゴルゴタの丘までの長い道のりを、血を流しながら、
自分が張り付けにされる為の重い十字架を背負わされて、
途中、何度も倒れながら、歩かされました。
そして他の罪人達と一緒に、十字架に釘で打ち付けられて殺されました。
まあ、その後に復活だのなんだのありますが・・・。
これって、どう思います？
理香だったら例え後世に名を残し神とあがめられたとしても、
決してイエス様のかわりにはなりたくないです。

まあ、このように、
神の愛とは、人間からみるとかなり残虐だったりします。
もしかしたらサド、という言葉が当てはまるかもしれませんね。

まあ、イエス様は神さまの人のハーフなので
かなり特殊なケースではありますが。

まあ、でも、
自分の持って生まれた「美質」を、
生かし切れるか、それともそれによって狂わされてしまうかというのは、
結局の所、ひとえに、自分の器でしょう。

「美しい」というのは美質ですが、
美しいというメリットを生かし切れないで人生に翻弄されてしまったり、
あるいはそれを鼻に掛けてやりたい放題やって結果不幸になったり、
そういうのは、
「神さまから与えられた贈り物を受けるに値しなかった人間」
といっていいでしょう。

つまり、沢山のモノを神さまから頂いている人間になればなるほど、
それを収めきるだけの大きな器を必要とするのです。
つまり、それだけ修行が必要なのです。

神さまの「黄金律」は、
「自分と同じように人を愛しなさい」です。
それが第一の掟である、とキリストも言っています。
ということは、これが「鍵」なんです。

人を愛すること。
しかも、自分自身を思うのと同じぐらいの熱心さで、
人のことを思うこと。
思いやりの心、優しさが、キーなのです。

私は考えます。

貴方が誰かに酷いことをしたとします。
そうすると、貴方が持って生まれたラッキーは、
きっと、その誰かに吸い取られてしまうのです。
酷いことをした分、確実に、貴方の幸運は減っていくのです。

人の持って生まれた一生の「幸」「不幸」は定まっています。
丁度世界の「幸」「不幸」の量が不変なように。
つまり、自分が酷いことをすることは、
その人の「不幸」を吸い取り、自分の「幸」とトレードしているのです。
そして、人生も半ばを過ぎ、
自分が頼みとしていた美質が減ってしまった時には、
あとは吸いカスのような燃え残りの人生しか残っていないのです。

美質には、
「頭の良さ」とか「精神力」とか「穏やかな性格」とか
「美的センス」、「財産やお育ち」
などというような年齢に左右されないモノもありますが、
基本的には年齢と共に失われていくものです。
「美しさ」も「強さ」も「運動能力」も「身体能力」も
そしてなにより、皆が平等に与えられている数少ない美質〜「若さ」も、
年を重ねる毎に目減りしているのです。

目減りしたときに、
幸せの種をたくさん蒔いておいた人の人生は、
その後もハッピーでしょう？
けど、キリギリスな生活を送っていたら、
冬になったときに何も食べるものがないのです。

だから、人には優しくしようね。

逆に、人から酷いことをされてしまった人は、
怒ったり、逆上したりしてはいけません。
「意地悪をしかえしてやろう」なんて考えてもいけません。
逆に、その人に感謝をしましょう。
貴方の厄は、みんなその人が持っていってくれたのだから。
そして、その人の幸運は、あなたのものです。

しかも酷いことをする人って言うのは、
なぜか幸運を沢山もって生まれてきた人が多いような気がします。
これは、「こいつはヒドイ人間になってしまうから」と、
神さまが気を利かせて多めに幸せを持たせてくれた、と考えることも出来ますし、
逆に、「幸せすぎて、自分が耐えられなかった」
つまり「その器じゃないくせに幸せをたくさんもらいすぎて狂っちゃった」
とも考えられますね。

まあ、とにかく。

あなたは、その「沢山の幸運の持ち主」の強い運を、
あなたの手の中におさめることができたのです。
これを幸せと言わずになんといったらいいでしょう？

そして、自分が得た幸せを逃さないように、
酷いことをした人に対して、幸せを祈ってあげましょう。
そうすれば、自分の所に転がり込んできた幸せたちは、
自分たちの前のご主人の幸せを祈ってくれた貴方のその心優しさに感動して、
みな１００％の忠誠を貴方に誓ってくれるでしょう。
「人から移ってきた幸せ」は、これで純粋に「貴方の幸せ」になります。

だから、嘆かないで。
人に騙されても。盗まれても。
大切なモノを汚されても。

あなたが幸せになると、いいな。

（11th Nov. 2005)