七夕。

普段星なんて見上げた事もないくせに、
なんとなく天の川を探してみたくなる季節。

一年に一度だけの逢瀬なんて、
韓国ドラマ顔負けのメロドラマ。
なのに、なんで、今のあたし達が心ひかれるんだろう。

純愛ブーム？
ううん、そんなんじゃなくて。
星空のロマン？
それはちょっとあるかな。
でも違うんだな。
悲しい恋の物語に憧れている訳でもない。

なんかね、
あたしは、七夕が好き。

だって、みんなが、
織り姫様と彦星様が会えますように、って、
短冊に願いを書くじゃない。
雨が降ると、みんなが、
「ああ、今年は逢えなかったんだね」って、
がっかりしてくれるじゃない。

果報者だな。

確かに悲しい恋かもしれないけれど、
こんなにも人々から応援されて、
織り姫も彦星も幸せ者だよ。

そして、あたしたちは、
がんばれと応援する事によって、
逆にあたしたちにパワーをもらっているんだ。
年中行事のルーティンワークになってもまだ続いてるのは、
きっと、日本中みんなで一体になって応援する喜びが、
七夕物語を色あせさせないからなんじゃないだろうか。

晴れた日は、嬉しい。
雨の日は、悲しい。
お天気という定まりのないものに左右される運命に、
あたしたちはあたしたちの人生を重ねている。