Bland New World

あなたという存在を思うと、
私の中に限りなく優しさが広がっていく。

日常の何気ない光景に虹色の光が差す。
階段を上るランドセルを背負った子供達、
鉛色の空から落ちてきた突然のにわか雨、
灰色の街の中を通る銀色の車の群れ。
そうした見慣れた普通の風景が、
突然ドラマのワンシーンに変わる。

新しい発見。

気持ちが次から次へと湧いてくる。
言葉が次から次へと湧いてくる。

それはまるでオーロラみたいに、
かなり激しくめまぐるしく目の前で変化を続ける。
そうして、やっと捉えたときには
全く別のモノになってしまう。

でもね、キラキラして、
とても、きれい。

こちこちに硬直していた心に、
ふんわりと優しさが広がっていく。
柔らかく、果てしなく、どこまでも。
みずみずしい香りを放ちはじめる。

柔らかな弾力で押し返されるように、
弾む心。

見るもの全てが愛おしい。
心の中に愛が溢れてくる。

太陽からまっすぐ放たれた光が、
まるで光合成をするかのように、
私の体内を流れる全ての毛細血管の先にまで、
すみずみに渡って広がってゆく。

この地球上の生きとし生けるものの、
生まれ落ちた奇跡に感謝しよう。

私の新しい世界。