まずは第一の地獄。
これは別名「リムボ」と言います。
果たして「地獄」という括りで片づけていいのか分かりません。
地獄にしては相当環境がいいのではないでしょうか。
ここにはキリストを知らずに死んでしまった人が入ります。
キリストを知らないので、天国の祝福を受けることもできず、
かといって地獄の責め苦に遭うこともない。
ギリシャの賢人とかすごい人がうじゃうじゃいるので、
寧ろ、理香的には行ってみたい気がする☆。

第二の地獄。
ここは邪淫の罪。
人の奥さんを慕ったりする人が入っているようです。
アーサー王の王妃ギニヴァを慕った
騎士ラーンスロットとかね。
トロイア戦争でヘレネを奪ったパリスとか。
ここは強風が吹き荒れていて魂が舞っているようです。

第三の地獄。
ここは暴飲暴食の罪。
大粒の雹（ひょう）や汚い雨雪が絶え間なく降ってきて、
地面は汚臭を放っています。
そして、ケルベロスという頭が三つに蛇のしっぽを持つ地獄の番犬が、
罪人達に噛みついて裂いたりします。
異本では皮を剥ぐ、となってるものもあります。

第四の地獄。
ここは二つに分かれています。
ダンテから見て左側が貪欲の罪。
こちらにはお金を貯め込んだ人がいます。
右側は、逆にお金を浪費した人がいます。
お互いに重い石を胸の力で転がすというのが罰なようで、
地獄の真ん中でぶつかり、
お互いがお互いをののしってまた戻っていく、
というのを延々と繰り返します。

第五の地獄。
ここは異端邪教の徒が行く地獄です。
天上が低く、暗く、激しい悪臭を放つ沼に囲まれています。
ここにはそれぞれの罪の重さによって分類されて葬られ、
その墓はすさまじい炎で焼かれています。
墓の蓋が持ち上げられて中から苦しいうめき声が聞こえます。

第六の地獄。
死後の魂を信じない人。エピクロス派の人。
墓が並んでいるのだけれど蓋が閉まってなく
守る人もいない。

第七の地獄。
険しく、また山があって外からは見えない。
暴力系の人たちが行く地獄ですが、
力が人に向かう人、自分に向かう人、神に向かう人
と、三種類あるので、ここには三つの園に別れています。

第七の地獄・第一の園
他人に対して暴力を振るった人の行くところ。
具体的には、殺人、悪意で撃つ人、荒らす人、掠める人。
血の川で煮られる。
逃げ出すと沢山のケンタウロスが弓で射てくる。

第七の地獄・第二の園
自分に対して暴力を振るった人の行くところ。
自殺、賭博、喜ぶべきところで欺く人など。
一面の森なのだけれど、
木は、緑ではなく黒い葉に毒のトゲ。節だらけでまっすぐな所がない。
この木は全て罪人が変化したモノなので折ると血が出る。
アルピーエという顔は人間で翼と鋭い爪のある怪物が住んでいて
この木の葉を食べる。

第七の地獄・第三の園
神および神のものに暴力をふるったもの。
神を誹ったり、神の恩恵を軽んじる人。
この罪人に三種類ある。
一種類目は神を侮るもの。
二つ目が男色。
三つ目が高利貸し。
一面の荒野。
砂という砂の上には絶え間なく火が降っている。
これを素手で永遠に消し続けたり、
二種類目は男色。
焼けただれながら、火の雨の中を歩かなくてはならない。

（01st Jan. 2005）