運命

運命論者になるのは、いいことだ。

無駄にイライラして胃を痛くすることがない。
心が平穏でいられる。

思いがけないトラブルに見舞われることは、
それが大きなコトでも、些細なものでもいっぱいあるけれど、
でも、それは、きっと、
宇宙の始まりのビックバンの時から決まっていた出来事なのだ。
そう思えば、諦めもつく。

行った美容院が混んでいて思ったより時間がかかった。
突然入ったオーディションがどうしてもずらせない予定とかぶっていた。
どうしてこの日にばかりと思うぐらい同じ日に仕事が重なる。
そんな時だってあるでしょ？

逢いたい人がいた。
けれど、逢えなかった。
でも、それはね、きっと、今回はご縁がなかったんだよ。
もし今逢ったとしても、
きっと今後良い風に働かなかったんだよ。
そう考えたら安心出来るよね。

全て自分の所に来た話は、
自分にご縁があるのだから、
何が何でもどこをどうこねくり回してでも、
五分だけでも、無理矢理自分のスケジュールにねじ込んで、
貪欲にゲットしたい。
そう思って歩いてきたんだけれど。

周りへの負担、
自分への負担、
そういった代償が大きすぎる割りには、
ゲットするモノの確率の低さに気づいてしまったのかもしれない。

もしかしたら、食らい付いていくパワーがなくなったのかな？
でなかったら、
「上手く生きていく」生き方を学んだのかな。
年を重ねていくに従って、油っ気が抜けて
欲がなくなってきたのかな。

拡大から充実へ。
時は流れていく。
遮二無二、種を蒔く日もあるけれど、
取り入れを待つ日もあるのだということに気が付いたこのごろ。

（01st Dec. 2005)