ずっと悩んでいた。
この性格。

わかってるんだよね。

女の子なんてお人形さんなんだから、
黙っていた方がカワイイって。
特に私たちみたいな不特定多数の男の人達を対象にしたお仕事の場合は、
多くの人たちに広く浅く好かれなきゃならないでしょ？

だったら、一番良いのは、
好かれそうなキャラを作ること。
一般の男の人たちにウケるようなキャラで通すこと。

「ぶりっこ」って昔悪いコトの代名詞だったっけ。
親とか先生の前でいい子にしていたら、必ず言われた気がする。
一昔前の世代の人たちは、平気で二枚目出来るかも知れないけれど、
丁度私たちのちょっと上ぐらいの世代、ＳＭＡＰのあたりから、
まともな二枚目がいないんだよね。
あ、誤解しないで欲しいんだけれど、ルックスは勿論二枚目だよ。
でもね、振る舞いが、わざとお笑い入っていたりして、
いわゆるこちこちの「二枚目」じゃないよね、ってコト。
「気取らない」って言い換えた方がいいかもしれない。

でも、気取らないと、ひかれちゃうキャラの人もいるんだよなあ。
多分アインシュタインだってそうだろうし。
「普通」にしていること自体、考えたことを素直に書くこと自体、
多分、周囲の人間を大いにひかせる原因になった気がする。
考えさせる原因になったような気がする。
「思考の台風の目」。
周囲は必死に理解しようと努力する。
イージーにはつきあえなさそうなタイプだよね。

まあ、その代わり、尊敬してくれる人は沢山いるんだろうけれどね。
だから、彼の場合はソレで良かったんだろう。

あたしは、職業的に無理だ☆。
だって、多くの人から好かれなきゃならないってことは、
お馬鹿やらなきゃならないってことじゃん？！

多くの人は、自分よりレベルの低いものを好むよね。
肩がこらなくていいもの、バカに出来るもの、優越感に浸れるもの。

「年齢が若い」というのは一番わかりやすい。
幼いということは、何も知らないことだから、
極端な話、赤ちゃんなら「ちょっと早めに歩けるだけで天才」だったりする。
幼稚園なら一人でお買い物出来るだけで「いい子」だしね。
というと、若い子なら、ちょっとしたことでも尊敬して貰えるんじゃないか。
「すご〜い」って言って貰えるんじゃないか？
でも、さすがに赤ちゃんや小学生だといくらなんでも微妙。
だから、ギリギリのラインで、「アンダー１５」（十五歳以下）なんだろうな。
最近ではＤＶＤでもそういうレーベルが出来るぐらい盛り上がっているし。
（とはいえ、正直、この現象について
「気持ち悪い」と思うのは理香だけじゃないんだろうな・・・。）

でも理香は、自分を振り返ると、中学二年生の頃が一番頭が良かったし、
一番モノを考えていたし、今より天才的にいろんなコトが出来た気がする。
今でこそ違う意見にも耳を貸す余裕はあるし、
喧嘩しても仲直りするようにしてるし、というか喧嘩しないようにしてるし、
でも、バリバリ若い頃は超きついコトを平気で言ってた気がする。
だから「１５歳以下は・・・」というのは幻想だとは思うんだけれどね。
しかも今よりもっと現実的だった気がする。

あと、お馬鹿な言動っていうのは扱いやすく見えるのかも知れないね。
流石にギャル文字バリバリだと、ひいちゃうかもしれないけれど・・・。
ちょっととぼけている位な方が人気が出る。

それが癒しになっていたりするのかもしれないね。

どうせ私たちは隙間産業。
エンターテイメントギョウカイの人間なのだから、
ストレスを発散する元にならなきゃならないんだよ。

お笑いがウケるのも、
しかもこういっちゃなんだけれど、結構くだらない？お笑いがウケルのも、
そういう理由なのかも知れないよね。
「カワイイ」って単語一つとったって、
なんか相手を見下している響きがあるもの。
普通、赤ちゃんとか女性とか立場の弱いものに対して使うでしょ？
更に最近は、「キモカワイイ」だとかさ。
見下しつつ、好意を持っていますよ、っていうカンジなのかなぁ。
まあ、多分使っている人たちに「見下している」というつもりはないだろうけれど。
ニュアンス的にはちょっと入ってるかも知れない。

そしてカワイイモノには癒される。

知的好奇心を刺激されて、ストレスを発散するコトが出来るのは、
向上心に溢れた若い女の子達が多いのね。
彼女たちは、未知なる世界への憧れと、
何よりも知への欲求が溢れているように思える。

頑張って「かわいく」やってるけれどさ。
どうせ、もともとがまじめな私。
絶対見る人が見たらボロ出てるんだろうな。

本気で向き合ったっていいコトなんて無いよ。

だって。
どうせ、本気で一生かけようなんて人、いないでしょ？
一時期、都合の良いときだけ、ちやほやして、
花の盛りを過ぎたら、さっさと去っていくでしょ？

「わたしがおばさんになっても」ってあったっけなぁ。
私は、当時小学生だったから、
おばさんとかおねえさんと子供って全然違うイキモノだと思っていたけど、
なんか、私も、遠い将来いつかおばさんになるんだぁって思って、
ちょっと驚いた。
まあ、全然実感はなかったんだけれどね。子供だし。

でも、その後段々と成長して、
今では、誰が見ても立派な「お姉さん」になった。
花の頃は今真っ盛りかな。
街に出ても、飲みに行っても、どこに行っても、何をしていても、
とりあえずはちやほやしてもらえるし。

ただ、これがずっと続くなんて思ってないし。
勿論、いくつになったとしたって絶対手は抜かないし、
３０，５０，８０になっても、綺麗でいようと思っているけれど、
花は確実に過ぎるだろうね。

その時に、誰が残るのかな。
誰か、残るのかな。

だったら、今、不特定多数の顔の見えないファン達にこびって、
きゃぴきゃぴ振る舞って、なんの良いことがあるんだろう？
自分でいいんじゃないの？

下手に、自分を繕って、そんな自分を好きになって貰っても、
多分本当の私を見た途端
「あれ？違う？」って思って去っていくに違いない。
そんな虚しいことならば、最初から地を出した方がいいんじゃないの？

事実、こうやって、地を出していても、
「顔が見える」ファンの方達が確実に応援してくれているんだし。
私は十分幸せなんじゃないの？