「憂鬱」なんて、贅沢病だ。
たくさんのオイシイモノを食べて成人病にかかるように、
豊かな生活が、人に憂鬱をもたらすんだ。

今までだって、決して暇じゃなかったさ。
相当、忙しい部類に入っていたんじゃないかと思うよ。
でもね、はっきりいって今の比じゃないし。

お引っ越しの後かたづけとはいうものの、
減らしてはいるけれど普段通りのお仕事はあるんだよね。
いや、ホントの事を言うと、引っ越しでお金使っちゃったから、
益々仕事入れて稼がないとなんだけれどなあ。
お誘いも殆ど全部お断りしているけれど、
あんまりにも断りすぎてしまうと、感じ悪いと思われそう。
せっかくつないできたご縁は割とあっけなく切れることもあるんだよ。
第一、携帯のメールですら最近殆ど返さなくなってしまった。

「やる事が一杯ありすぎる！」
それで憂鬱になったり、
キレそうになっていたりしたこともあったっけ。

でも、ホントに忙しいときには何も考えている暇なんてないし。
憂鬱になる前にさっさと
目の前のモノを一個でも二個でもいいから片づけないと終わらない。

っていうと、おっ。
多分、これは「使える真理」だぞ。

要するに、ふさぎの虫にとりつかれたくないのだったら、
とりあえず忙しくしておく事。というレシピ（処方箋）が出来る訳だ。

しかも。単純作業がいい。
ただひたすらに段ボールをあけていくような。
いやいや。あんまりにも単純だと手だけ動かして何か考えちゃうから、
考えながらやるお仕事が一番いいんだろうな。

だって、一個の事に集中していたら他の事なんて考えられないもの。
人の頭は一個だし。
聖徳太子みたいな神懸かり的な超人でもない限りは、
一度に一個のことしか考えられないでしょ？

そういえばこのメモランダムなんかも、
一個素敵なテーマをふっと見つけて、それについてかなり考えていて、
途中でもう一個テーマを思いついて考えはじめると、
すぐ前考えていた事を忘れてしまって思い出すのに苦労するモン。

引っ越しのお片づけも、
「ああ。これ、ここに片づけないと。」
「これってどこにしまったら一番効率的なんだろうか。」
「どんな収納道具を使おうか。手持ちのモノでなんとかなるのかな。」
なんていろんなコトをひっきりなしに考え続けるからいいんだろうな。

そういえば「写経」も似てる。
単純作業なのにひっきりなしに考えていなければならないトコ。
だって、字も難しいし、意味も難しそう。
考えはじめたら相当ディープな世界が展開していそうだよ。
瞑想にはもってこいだね。

これも、古来の精神病の解決レシピだったんじゃないのかな？