人が本当に惹かれるのは、孤独なのかもしれないね。

しゃべっていたときに、ふと感じる孤独。
人は孤独っていう共有意識の上に浮かぶ船。
寂しいという気持ちを分かち合える人たちが、
どこかの片隅にひとりふたりと寄り集まってパーティーを作る。

でも、そのパーティーで一緒に冒険の旅に出て、
モンスターを倒したりは出来ないんだ。
人は、それぞれのフィールドとそれぞれのダンジョンで、
自分のスキルを最大限つかって
ひとりきりで戦って行かなきゃならないんだね。

例え、親兄弟でも、恋人でも、親友でも、
旅する道程は違っているのだから。
前にも後にも誰一人歩いた事のない道を進むしかないから。

同じような道に見えるって？
ううん。時間軸、空間軸がずれているでしょ？
あなたの今歩いている道は、果てしない次元に無数に交差する中の、
たった一本の道。

無限（アンフィニ）のマークのように、
世界が同じ軌跡を描いて回っていればいいのに。
そしたら、足を止めたり走ったりすれば、誰かと出会えるのにな。
どうやら、上昇する螺旋階段のスパイラルのように、
あたしたちの世界はだんだんずれていってるんだね。
それが、遺伝子レベルで刷り込まれた私たちの運命なのかな。

ご丁寧にもシングルじゃなくて二重構造にしてくれて。
よっぽど人間が信用出来ないと見えるな、神さまは。
でも、もしかしたら、これは何かのコードなのかもしれない。
二項対立の構造主義的世界の中で、
きっと螺旋の片割れがどこかの時空にいるという暗号。

果てしない孤独に沈んでいかないための釣り針。