枕詞
でもさあ、例えば誰かとご飯食べにいったりするときに、
「あの人はすごいお金持ちだから」なんて紹介されると、
「あー、なんか嫌な感じだな」って理香は思ってしまう。
まあ本人目の前にして言う場合はおべっかだろうけれど、
それもなあ。
一体なんの上下関係なんだかしらないけれど、
会社の接待に使われているみたいでちょっとどうなの?
でも、影でこそこそっと言われるのはもっと感じ悪い。
たとえそれが「女の子達に喜んで貰おう」と思って言っている
好意だと解釈したとしても。
っていうか、そういうのを聞いて態度が変わる女の子がいるとしたら、
そっちの方が最低☆。
もしもあたしたその立場だったら、あたしと友達になって欲しいもん。
お金持ちだからなんて枕詞はいらない。
寧ろ言って欲しくない。
何センチ×何センチは80円切手、重さ○○から○○は90円切手、
そんな郵便物みたいに、定型にはめてほしくない。
やなんだよね。
枕詞で定義されちゃうの。
薄っぺらくなっちゃうジャン。
これが「レースクイーン」でも同じ。
職業、肩書き、そういったものが、
あたしたちをつつむラッピングだとしても。
そんなもので、仲良くなったって全然嬉しくないでしょ?
まずは素のあたしを好きになってよ。
その後でいろんなものがくっついてくるかもしれないし。
逆に負の部分があったとしても、
それなら、きっと乗り越えていけるだろうし。
(10th Apr. 2005)