じゃんけん

じゃんけんがとても弱かった。

そんなもん、
じゃんけんにはぐーとパーとチョキしかないんだから、
勝つか負けるかなんて事は、
単純に確率の問題だとという事は知っている。

でも、それは同じ条件下に於いて、
千回とか一万回とか大量のサンプルの統計を取ることによって、
「おおよそ２分の１の確率で勝利する」
という結果が導き出されるっていうだけの話。

ここ一番の勝負の時には、
「勝つ」か「負ける」かのどっちかしかなくって、
で、その結果が１００％なんだよね。

だから、自分はじゃんけんが弱いと思っていた。
いつもここぞの時には負けるような気がしていた。

もしかしたら最初にモノゴコロ付いたときに、
なんかのじゃんけんで負けちゃったのが
トラウマになっていたのかもしれないんだけれど、
とにかく自分はじゃんけんが弱いと思っていたんだね。

ある日、それに気が付いた。

だから、次の時から考え方を変えてみた。

・・・あたしは勝つ。
絶対に勝つ。
あたしはじゃんけんに強い人間なんだ。

そうしたらじゃんけんに勝った。
びっくりしたネ。
そうしてそれからも勝ち続けている。

要は気合い？思いこみ？
これはじゃんけんじゃなくても同じこと。

同じ初めての仕事をするときに、
出来る人って言うのは、自分は出来ると思っている。
東大出の人が優秀なんじゃなくて、
東大出の人は、自分が優秀だと思いこんでいるんだ。
だから、出来る。

要は気合いと思いこみ。
世の中なんてそんなもの。