とてつもなく根暗で、
それでいてはちゃめちゃなあたしが、
唯一正気を保っていられるのは、
コンピュータの静寂なモニタ越しの、暖かな人々のせい。

深海の中に住む人魚姫のように、
太陽の光にあこがれても、
いかんせん、持って生まれた性質は情熱では変えられないのです。
太陽に照らされた砂浜にどんなに恋しても、
叶えられない夢を見るだけなのです。

この静謐の世界は厳然として普遍です。
ぎらぎらと輝く太陽の光すらも
弱められた柔らかなきらめきになって沈んできます。
そして、吹きすさぶ嵐も、僅かに海面を揺らす波に過ぎません。
厚い氷に覆われ、地上から遮断されても、
深く暗い海の底の世界は、何も変わるコトなく日常生活が営まれるのです。

何もかも青く靄った海の下では、
視力すらも光を失っていきます。
そして世界は、美しい想像で満ちあふれるのです。
そして驚嘆して呟くのです。
「神さま。世界は美しい」と。