才能

Ｆ１グランプリ予選をＴＶで見ていた。

このＦ１という舞台に立てるということ。
それ自体が類い希なる非凡な才能の持ち主なんだろうなあと思いつつ。
でもね。

中途半端に才能がある人って悔しいだろうなあ。

シューマッハみたいに通算２００戦中４割ぐらい優勝するのは見事だよね。
これこそ「神に愛された人」ってカンジがする。
まあそんな言い方をしてしまうと、
セナみたいにさっさと神の元に召されてしまいそうな危うさは感じるけれど、
おそらく死んだ瞬間に「伝説」や「神」に成りうる「すごさ」を感じる。

でも、Ｆ１という舞台でも、トップにはい上がれない人も居るわけで。
トップ・オブ・ザ・トップにはなれなくて、中ぐらいとか、
中ぐらいまでも行けないで、下の方でうろちょろしていたり。
「シーズン途中で降ろされて差し替えらるという噂がピットを駆けめぐる」人もいたりして。
えらい精神的プレッシャーに負けてコースはずれるようなミス犯しちゃったりね。

・・・こういう人たちってものすごく悔しいんじゃないだろうか。
なまじっかな才能だったら与えられない方がましだと思う夜もあるんじゃないんだろうか。
（まあＦ１ぐらいだとマシンのせいとかもあるだろうけれど・・・。）

そう考えると、まだ芸術系の方が趣味性が強いから職業的には「まし」かもなあ・・・。
少なくともプレッシャーは少ないような気がする。

たとえば、どの絵が一番好きかなんて人によってまちまちで、
ウォーホル命の人もいればダビンチが一番の人もいるでしょ？
俳優も、歌手も、ダンサーも、お花屋さんも、シェフも、デザイナーも、ネイリストも、
カメラマンも、エステティシャンも、インテリア・コーディネーターも、
誰が一番なんて誰にも決められない。
あっ。勿論初心者とかド下手は論外として、
「超一流の中で誰か」というレベルの話だけれどネ☆！

同じように誰がレースクイーンのトップかなんて誰も決められない。
理香のファンにしてみたら誰が何と言おうが無名だろうが理香がトップだろうし。

順位を競うモノはどうしてもはっきり出ちゃうからね。
ある意味すごく残酷だし、その分がんばり甲斐もある。
とてもストイックな職業だろうと思うけれど、
「神に選ばれしもの」にとっては甘美な蜜のような人生をもたらすだろう。

でも、「突出した才能」に恵まれなかった多くの人たちにとっては、
とりあえずどんぐりの背比べするしかなくて。

オールラウンドとは望まない。一個でいいから。
例え、中堅どころでも、いや、ぎりぎりトップにひっかかる底辺でも、
とりあえず「トップ」というカテゴリーに入れる人の才能がうらやましいよね。

それから・・・。

自分の「もてる才能」と「やりたい方向性」がずれている人も不幸だと思う。
そもそも才能って磨かなければ光らない宝石のようなものだから、
磨く気のない宝石なんて石ころと同じ。

願わくは、石ころであってくれたら他人のいらない石ころと交換出来るのにね。

人生はうまくいかないものだナ。

（08th May. 2004)