メーデー

今日は金澤京子さんと対談の日。
どうせゴールデンウイーク中だし都内なんてがらがらだろう。
そう思ってもタクシーってばなかなか進まない。
１時間経ってもまだ三軒茶屋でスタックしていた。
そう、今日はメーデーだった。

なんであんなところに警察車両が止まっているんだろう。
あれが渋滞の原因のもとなんだよね。
ったく、警察には道路の占有権があるのかもしれないけれど、
それにしてもこりゃあひどいんじゃないの？
なんか一言いってやろうかなあ、と思って、気が付いたら・・・。
「分かった、デモだ！デモのせいで警察がここにとめているんだよ。」
そうか。だったら警察責めたらかわいそうだな。

しっかしなんであんなにわさわさ人が集まってくるんだろう。
一体どのぐらいのギャラを貰ってるんだろう？
そもそも彼らは職場で強制されて来るんだろうか？
それとも自主的に集まっているんだろうか？

っていうか、大迷惑なんですけれど。

この人達は、人に・・・多くの人によりたくさんの迷惑をかけることで、
社会に認知されようとしているのだろうか？
ちょうど、本で読んだ過激派が、被害の大きいテロをやればやったほど
「社会に認知された」として喜ぶように。
「わかったわかった。君たちの要求は聞くから、無辜の市民を巻き込まないでくれ」
そういう風に会社に言わせたいのだろうか？
だとしたらホントカンベンして欲しい。

なぜデモをするのか。
答え。一人一人は弱くて何も出来ないから。
集団で集まれば何かが出来るから。

そして、ふくれあがった集団はもはや弱いものではない。
集まった人の群は・・・こわい。

強さって言うのは相対的なものなんだよね。
いくら自分が弱いと思っていても、
強くなった途端にさらに弱者を阻害するモノになる。
つまり自分が戦うべき忌まわしい敵と同じ姿になってしまう。
なんていう皮肉なんだろう。

そして。
たぶん、デモに集まっている人たちは知らない。
（知っていて愉快犯になるほど、人というものは根が悪くないと私は信じたい）
自分たちのやっていることで、一体何台の警察車両がでて、
何本の都内の主要道路をふさぎ、何時間の渋滞が出来て、
どれだけの人々の貴重な時間を奪っているのか。
自分のやりたいこと、
つまり要求を通すという目先のことに必死になって彼らは気が付かない。

私はその盲目さに
憤慨する気もへどを吐くほどの気持ち悪さも感じない。
ただ、「天国へのゲートをまっすぐにくぐれる」愚直さを感じる。
きっと彼らは幸せな人々なんだろうな、って。

（01st May. 2004)