Jack of All Trade and Master of None

元来器用な方だった。
とりあえず何かにトライすると、必ず平均点以上の成果はあがる。
平均点以上というか、「優」「良」「可」「不可」でいったら、
一応「優」に入る８０点ぐらいは常にクリアしているっていっていいかもしれない。
もしもイマイチな６０点ぐらいしか取れなかったら、
悔しいから努力して９０点ぐらい取るまでがんばるタイプって言ったら良いんだろうか。

今までいろんなコトをやってきた。

お茶にお華に日本舞踊。
お免状もらって名取りになって、なんとなくやめちゃった。
声楽やったら国賓としてご招待された。
調子のってオペラ歌手になろうと思ったんだけれど、
ママに反対されてやめちゃった。
せっかくだから教員免許も取ってみた。
中学高校の英語だけじゃなくてスペイン語教員免許もゲットした。
使ってないから意味ないけれど。

パソコンやってみた。
でもプログラマになるほど根性もすわってないので、
なんとなく自分でタグ打ったりしてＨＰ作る程度で満足してる。
ゴルフやってみた。
「初めてにしてはうまいじゃん」とほめられた。

ＤＶＤや写真集も出してみた。ユニットで歌も歌ってみた。
演技もそこそこ出来るし、ドラマで主役なんかもやっていた。
ナニゲにＭＣやナレーターなんかもやっちゃったりして。
今は天下のＮ○Ｋさまでナレーションをさせてもらえちゃったり。

メグとカラオケいった。

カラオケでメグと一緒に歌うのは今までも何度もあったことなんだけれど、
二人きりで歌いに行くのははじめてかもしれない。

そこで、めぐが歌うのを見た。
完全に自分の世界に入り込んでしまっているような歌だった。

あたしは愕然とした。
こころが揺さぶられるって、こういうコトなんだって。
今まで何度も音楽聞いたことはあるんだけれど、
今まで何度もライブ行ったことあるんだけれど、
こんなに寒気がするほど感動したことはなかったかもしれない。

あたしは感動して言った。
すばらしい、って。
それから、
こんな歌が歌えるメグがうらやましい。って。

メグは言う。
でも理香ちゃんはなんでもできるから幅広くていいじゃん。って。

でも理香は思った。
理香は確かになんでもできるかもしれない。
でも、全てに８０点或いは良くても１００点の出来じゃないか。

天才っていうのは点数ではかれるようなものじゃあないんだよ。
そんなレベルを突き抜けているような天賦の才。
何か一つで良いから、そういうものが欲しかった。

Jack of All Trade.

でも私は、Master of None.

（02nd June. 2004)