自然浴

光る雨を受けて、小麦が伸びたよ・・・。

私が子供だったとき、
私を喜ばせたのは、
けばけばしいディズニーの色彩。
セサミストリートのいつも晴れた街。
ジェリービーンズとピンクレモネード。

一体いつから私は、
自然に心洗われるようになったのかな。

どこまでもパンケーキのようにフラットに
果てしなく続くプレーリーは私の原風景。
地平線の果てまで広がる小麦畑。
そこを走る一本のカントリーロードを
どこまでもすっとばしていく車。
ここは・・・ノースダコタ？

思い出の土地よりも遙かに豊かな十勝の緑。
あのどこまでも広がる遙かな乾いた大地が
夢にまで見た水への渇望が癒されると
こんな風な光景に変わるのだろうか。

多分私の知っている野菜が、
スーパーやデパ地下とは違う形で生えている。
しかも地平線の果てのあの森までずっと。
私の知らない花が咲いている。
花屋には決して並ぶことのない農作物の花。

きっと。

世の中は自分が思っているほど、フクザツじゃない。
必死に思い詰めるほどストイックでもない。

目をつむって深呼吸すると、
気持ちがふっと軽くなっていく。