This is my life

世の中には火系の人と水系の人がいるような気がする。
これは、恋愛であっても友達であっても関係ないんだけれど、
一つだけ言うとすると、関係が深くなればなるほど
持って生まれた性質っていうのは顕著に表れて、
お互いに強いフリクションを感じる。

先日、南美ちゃんと話をしていた。

相手にあわせて我慢することって、大事。
だから、相手にとって不愉快な事はしないし言わない。
オトナなんだから極力相手に合わせてあげる。
そんな人たちのつきあいを、理香は今まで
「クリームの上澄みのようないいとこ取りのつきあい」
なんて考えていたんだ。

いいこぶる事は誰にでも出来る。
表面を取り繕うことも簡単だ。
でもそれはお仕事の時とか、ご縁の薄い人か、
そんなんで十分だと理香は思っちゃうの。

本当に大事な人には、友達であれなんであれ、
自分の事を全て知って欲しい。
人間なんだから醜いところもかっこわるいトコも
ぐちゃぐちゃした負の部分もたくさんあるけれど、
全部それをひっくるめて分かって欲しい。
ふわふわしていて実体ないつきあい方なんて「本物」じゃない！

勿論そんな姿は誰にでもさらしたい訳じゃあない。
日々出会う、数万、数十万の人々の中から、
一生懸命自分なりに吟味して、自分の心の中で判断をして、
この子とならば！と選んでいくのだ〜。

ところが、先日ある人から、
「まるでゲームみたいだ」という風に言われてしまったのだ。
「オトナのように思いやりを持ったつきあい」が
人間として本質なのだ、と。

がーん。

天地がひっくり返ったような発想の転換だったね。

そういや理香の友人の一人にこんな子がいる。
何人もの人とおつきあいをしているんだけれど、
そのどの人にも自分の本質を見せない。
でも、「もうこの人に尽くすのはやだな」と思った時点で、
何らかの理由をつけてさくっと別れる。
別れた人の中には彼女の「良い部分」しか見えてないから、
その後も彼女を思い続ける・・・・。

かしこい。

理香もそのぐらい器用な事をしてみたいのだけれど、
いかんせん、持って生まれたモノがどんくさい所為か、
あと、ナニゲにこう見えて実はかなり保守的で奥手なもんで、
どうもそう上手いカンジに出来ない。
昔、彼女のマネをしてみようと一大決心をしてみたんだけれど、
ここぞ！というときに恥ずかしさなどで逃げ出すし、
どうも、こう、おつきあいするならとことんというカンジがして、
本気になればなるほど付き合う前にわざと悪く振る舞うような気がする。
絶対安心しないと自分自身を任せられないんだもん。

だから、深いつきあいになることが出来ずに、
なんか違うなとその時点で切り捨てたり決裂した人は、
多分理香のことを最低最悪の女だと思っている確率が高いのだ☆。
もっと深いつきあいになれば全然違うビジョンが見えてきたんだろうけれど、
そこまで到達出来なかったんだから仕方がない。
まあ、いずれにせよ、理香が心を開こうとする人間って
そんなに数がいないのが救いだけれどネ。
あと挫折する人が極端に少ないのも救いかもな・・・。

「おいしいトコ取り」なんて、誰にでも出来るよ。
「繕ってつきあうなんて簡単じゃん！」
なーんて理香も思っていたんだけれど、
彼女を真似て、数々の実験を経てみて、
実は出来ないという「事実」についに思い至って、
なんか「能力の欠如」を指摘されたようでがっかりきた記憶が。

そっか。あたしは彼女のようなつきあいを、
「やりたくない」んじゃなくて、
「やれない」だったんだ！

理香が何かを「出来ない」と悟ったとき。
大抵はどんくさい理香のこと。
そう。「がんばっちゃう」んです。
「人間に不可能はない！」なんて言いながらね。
獲得してない能力なんて自分的にあっちゃ困るんです。

んでもって、スキルアップを頑張ろうかなと思ってはいたんだけれど、
忙しさにかまけてずっとそのままになっている状態でした。

・・・が、その話を真剣に語る理香に対して、
南美ちゃんは笑って言いました。

「だってー、理香ちゃんがわがままじゃなくなったら
理香ちゃんじゃなくなっちゃうー☆」

がらがら。
またしても目の前で何かが崩れました。

そっか。
あたしって、あたしなんだっけ。

あたしにはあたしのイメージがあって、
あたしの生き方があるんだもんね。
他人の目に「ゲーム」に見えるような形であっても、
私には「真剣勝負」。
あたしはまじめだよ。心の底から。

そういえば、格闘技やってる友達が言ってたな。
「おもしろいね。
理香ちゃんは言葉の端々にトラップが仕掛けられているんだね。
でも、それがいいいな。
簡単に人を信用するような子だったら、僕はやだな。」

私の事を認めてくれる人たちがこんなにもたくさんいるのに、
こんなにも私はみんなから愛されているのに、
私は違うモノになろうとしていたんだね。
人生をより器用に生きる術は、
決して理香を輝かせるものじゃないのに。

風・水・地・火。
世界を構成する四大元素があるとすると、
きっと私は火。全てを飲み尽くす激しいエネルギー。
そして土。
泥臭く、でも有機的な万物の母。

理香と同じエレメントを持つ人は、
きっと理香の良き理解者になってくれるのだろう。
構成要素が違う人間は、多分一生相容れる事は出来ないのだから
そんな人のことは考えなくてよろしい。

寧ろ、自分の胸を張り、しっかり前を見て、
傲慢なぐらい我が道をいけば、
きっと私は美しく輝けるはず。
そして良き理解者に対して、良き友であれ。